2019年夏頃から約1年に渡って、値下がりトレンドが断続的に続いていましたが、特に目立った値下がりだったのが、2019年夏頃と、2020年4月の緊急事態宣言時だといえるでしょう。
2019年夏に発生した下落トレンドには、これといった理由が見つからないにも関わらず、その時期多くの腕時計が値下がり。モデルによって、下落した時期は若干異なりますが、2019年夏から秋にかけて多くの腕時計が値下がりしたといえます。
ただ、2019年冬頃までには、下落するという状況はそれなりに収束した様子を見せていて、2020年になると、それらモデルは回復となるような兆しとなっていたのです。
しかしながら、その後、新型コロナの問題が発生。4月に緊急事態宣言が出されると、2019年夏以上の下落という値動きを見せるモデルがそれなりにありました。
中でも、下落が目立っていたのが、このノーチラス5711/1Aなのですが、青文字盤、白文字盤どちらもインパクトのある値下がりとなっていました。
そのように値下がりした結果、青文字盤は2019年の800万円台という水準から、2020年4月には600万円台にまで下落。白文字盤は、2019年に700万円台だったのが、2020年5月に500万円台に値下がりしていたのです。
そして、その後、青文字盤については回復することがなく、つい先日まで600万円台という水準に長らく留まっていました。
緊急事態宣言解除後には、多くが回復し、その後2020年夏頃から再度の上昇となっているモデルが目立つわけですから、「緊急事態宣言時と変わらない」という5711/1A青文字盤は元気がない様子だったといえます。
青文字盤がそのような状況だった一方、この白文字盤5711/1A-011は、緊急事態宣言解除後にそれなりに回復。その際、2020年4月⇒6月で70万円の上昇となっていたのですが、その結果「青文字盤以上の水準」となったわけです。
そして、その後も白文字盤は青文字盤を引き離すかのように上昇。2020年12月の段階では約767万円という水準に到達したのですが、これは2019年7月の758万円というピーク水準を超えていました。
ですから、白文字盤は青文字盤よりも早い段階で「2019年上半期以上の水準」になったわけですが、その一方、青文字盤は依然として2020年緊急事態宣言時並の水準だったのです。
それが、2021年1月の終わり頃になると、青文字盤が「ガバっと回復」という様子に急に変化。その際、600万円台⇒800万円台へと回復していました。
その後、青文字盤はさらに上昇し、今では「売出し数が0」という状況。
このような様子を見ると、どうやら最近、ノーチラスにはなにか異変が起きているように感じます。
そしてそれは、現在の白文字盤水準を見ると明らかだといえます。
なぜなら今、白文字盤、つまりこの5711/1A-011は約987万円という状況にまで上昇。
これは、これまでお伝えした過去最高値を更新したことはもちろん、2019年上半期水準を200万円以上も上回っているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年12月 の安値 |
2021年2月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 5711/1A-011 |
中古 | 0年 2ヶ月 |
¥7,678,000 | ¥9,878,000 | 2,200,000 | 128.65% |
先のように、この5711/1A-011は2020年12月の段階で「2019年上半期以上の水準」に到達しましたが、そこから2ヶ月後の今となってはその水準を大きく上回っている状況です。
2020年12月⇒2021年2月という、たった2ヶ月間での変動額は、なんと220万円の上昇。これまで、眠っていた巨人が目覚めたかのような、ド派手な値上がりだといえます。
今、ノーチラスがこのような目立った上昇となっている理由として考えられるのは、5711/1A-010の生産終了という噂でしょう。
ちなみに、この白文字盤、5711/1A-011についてはすでに1年前の段階で生産終了が発覚しているわけですが、現在の値動きは、1年前とは比べ物にならない派手さがあるといえます。
白文字盤、青文字盤ともに生産終了ということであれば、もちろん5711/1A自体が生産終了となるわけで、そういったことが今回の値動きに影響しているのだと思われます。
なお、生産終了によって急激に上昇という現象は、これまで多くのロレックスで起きていましたが、パテックフィリップとしては初のことだといえるのではないでしょうか。