デイトナ116520がデビューしたのは2000年のことですが、その際、日本では「ロレックスブーム」と呼ばれる事態となっていました。
具体的には、エクスプローラー14270とデイトナ16520の新品実勢価格が定価を上回っている状況だったのですが、それ以前の時代において、高級腕時計がこういった事態になることは稀だったため、「インパクトがある現象」といった捉え方をされていたともいえます。
もちろん、そのようなことに対して批判的な意見が目立っていたわけですが、それは「注目度が高いこと」の裏返し。意見としては批判的な人が目立つ一方、欲しいと思ってる人は黙って買っていたわけです。
ただ、116520の登場時の「熱」は、あまりにも激しすぎたため、デビュー後長年に渡って、116520は「デビュー時の新品実勢価格が最も高い」となっていました。
そのようなことを打破したのは、2018年9月のことなのですが、結局デビューから18年後になって、ようやく「かつてのプレミアム価格以上になった」ということを達成しています。
けれどもそんな116520は、その後値動きが停滞気味に変化。
黒文字盤は、2018年9月⇒2019年9月の1年間で20万円ほどの上昇となっていたのですが、これは2017年⇒2018年の値動きと比べると半分程度だといえます。
そして、2019年夏からは全体的な下落トレンドが発生し、116520黒文字盤は値下がり。その後回復したものの、長らく100万円台後半付近という価格帯に位置し、200万円台となるような様子がなかったのです。
しかし今、そんな116520に異変が起きているのです。
それはどういったことかというと、黒文字盤、白文字盤ともに116520が200万円台となっている点です。
これまで、116520は値動きしたとはいえ、その多くの場合、100万円台という価格帯に留まっていました。
もちろん、時期によって100万円に近いこともあれば、200万円に近いこともあるのですが、いずれにしても100万円台だったわけです。
ですから、現在の200万円台という水準は、116520にとって大きなな1歩といえるでしょう。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年8月 の安値 |
2021年2月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ 黒文字盤 116520 |
中古 | 0年 6ヶ月 |
¥1,980,000 | ¥2,013,000 | 33,000 | 101.67% |
なお、この116520、2000年代のデビュー時から100万円台という水準だったのですが、一時「100万円台ではなくなる」ということがありました。
それはリーマンショックの頃なのですが、値下がりした結果、新品実勢価格は90万円台、中古は70万円台程度にまで下落していました。
そういった状況は数年続いていましたが、116520の歴史からすると、100万円台という価格帯だったときのほうが長いといえるでしょう。
というよりも、116520は「100万円台」からなかなか変わらなかったわけで、今回のように価格ステージが100万円台⇒200万円台に変わるということ自体が稀であるわけです。
そういった意味では、今回の116520黒文字盤の様子は、変動額自体はあまり大きくないものの、歴史的に重要な値動きだといえると思っています。