一見すると、116520を革ベルトにしたようにも見えるこの116519黒文字盤。
なぜ、そういった印象になるかというと、歴代の革ベルトデイトナには、専用デザインの文字盤を与えられることが多いからだといえます。
例えば、16519の文字盤は「バー」ではなく「アラビア」ですし、ラバーベルトの116519LNにも専用の文字盤色が割り当てられています。
それに対して、この116519は、116520の黒文字盤とほぼ同じ見た目。ベゼルのタキメーター部分の形状は異なりますが、全体的な印象は116520と同じ雰囲気だといえます。
SSと見た目が似ているWGは、デイトナとしては異色なモデルということになるわけですが、興味深いのは、同世代のブレススレットモデル、116509にも「専用デザインの文字盤」が与えられていたという点です。
そうなると、なぜ革ベルトの116519だけがSSと同じ見た目の文字盤になったのか不思議だといえます。
ですから、一見、オーソドックスにも見える、この116519の黒文字盤という存在は、実は意外とレア感が高いわけです。
そんな116519黒文字盤ですが、現在水準を見ると、そのようなレア感に負けないほどの値動きとなっている様子があります。
このモデルを前回お伝えしたのは、2020年1月ですが、その時点では約214万円という水準でした。
そして、それから1年1ヶ月後の現在、116519黒文字盤はなんと292万円にまで上昇。2020年1月⇒2021年2月という期間で77万円ほどの値上がりとなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年1月 の安値 |
2021年2月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ 黒文字盤 116519 |
中古 | 1年 1ヶ月 |
¥2,145,000 | ¥2,920,000 | 775,000 | 136.13% |
ここ数ヶ月といえば、K18腕時計が目立って上昇するというトレンドがありましたが、今月になってからステンレスの人気モデルも目立って上昇するという傾向が見られるようになりました。
先日お伝えしたように、現行世代のノーチラスが目立っているわけですが、この世代のSSデイトナ、116520も200万円台という水準に到達。過去最高値更新といった値動きが起こっているわけです。
そうなると、この116519には「K18の上昇」というトレンドと「116520の上昇」という追い風があるわけで、このような値動きとなったかと思われます。
116519は、先のように「SSと同じ見た目の文字盤が採用されたレアWG」であるのですが、今回の値動きに関して、そのレア感が特別影響したわけではないといえます。
なぜなら、現在同世代のYG革ベルトモデルである116518も目立った値動きとなっているからで、116519だけが特に値動きしたわけではないのです。
ちなみに、この116519、昨年お伝えした際の値動きはどうだったかというと、2001年⇒2020年の19年で59万円の上昇という様子でした。
それに対して、今の動きは、2020年1月⇒2021年2月の1年1ヶ月で約77万円の上昇という動き。
この1年1ヶ月の値動きは、昨年お伝えした19年前との変動額を遥かに上回る状況となっているのが凄いといえます。