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腕時計特集

阿部泰治のパテック論 ~第46回~ ヴィンテージ『カラトラバ』

2021年2月13日更新

みなさん、こんにちは。

今回は過去に何度かお話をさせていただいておりますが【 パテックフィリップ 】のヴィンテージモデル『カラトラバ』18KWG(ホワイトゴールド)「Ref.3445」のご紹介およびアーカイブについてのお話をさせていただきたいと思います。これから販売する予定の商品となりますので、ご参考頂ければ幸いです。

カラトラバ 18KWG(ホワイトゴールド)「Ref.3445

「Ref.3445」は1960年代〜1970年代にかけて製造されていた、ヴィンテージ【 パテックフィリップ 】を代表するモデルとも言えるカラトラバです。

認知度も高いモデルで、当時は若干大きめとされた35mmのケース径、防水性能が高いスクリューバック(ねじ込み式)の裏蓋が人気の所以であると思います。

搭載されるムーブメントは、自動巻の中でも最高峰と呼び声が高い「Cal.27-460M」です。

先代の【 パテックフィリップ 】初の自動巻ムーブメント「Cal.12-600AT」は、凝ったギョーシェ彫りが施され、18KYG(イエローゴールド)製のローターがとても美しくインパクトがあると言われています。一方でこちらの「Cal.27-460M」は、ローターを薄くしたことで”軽量化”され、ローター軸にボールベアリングを採用し”巻き上げ効率も向上”し、実用性がグッと良くなりました。

こちらの時計は風防に傷があり、文字盤も経年による多少の痛み(劣化)は見られますが、ケースは比較的しっかりとしており、ラグ裏にある刻印もはっきりと見ることが出来ます。

直近でアーカイブを取得しており、1964年に製造され1965年に販売がされたことが分かります。
また【 パテックフィリップ 】ジャパンにて新品のアリゲーターベルト、18KWG(ホワイトゴールド)製の尾錠を購入して付けております。販売前メンテナンスで、オーバーホールをさせていただきますので、もうしばらくお待ちください。

アーカイブ

ここから実際のアーカイブを見ながら、どのような内容が記載されているのかをみていきたいと思います。番号をふりながら、各項目について説明していきます。

❶Type of watch
「Wristwatch」と記載があり、腕時計であることが分かります。

❷Movement No
ムーブメント番号が記載されています。

❸Calibre
時計に納められているムーブメントの種類(名前)が記載されています。これを見ると自動巻の「27-460 M」であることが分かります。

➍Case No
ケース(個体)の番号が記載されています。

➎Style
時計のリファレンス(型番)、素材が記載されています。

➏Type of dial
ダイヤル(文字盤)についての特徴が記載されている場合があります。この時計については3445のみ書かれています。

❼Date of manufacture
製造された年が記載されています。

❽Date of sale
❼と間違いそうになりますが、こちらは販売された日付が記載されています。

➒Bracelet/Leather strap
ブレスレット仕様か革ベルトの仕様かが記載されます。こちらを見るとLeather strapと書かれているので、革ベルトの仕様であることが分かります。

➓Remark
特記事項がある際には、ここになにかしらの記載があります。

アーカイブ下部に書かれた文章ですが、時計のケース番号、ムーブメント番号に基づき【 パテックフィリップ 】に登録されている内容で、アーカイブの内容が書かれています。と記載されており、信憑性についての保証はしませんとも書いております。

「Ref.5396G-011」アニュアルカレンダー 18KWG(ホワイトゴールド)

ここでもう一本。ちょうど前回の【 パテックフィリップ 】論でも書かせていただいたモデルが入荷しましたので併せてご紹介したいと思います。

「Ref.5396G-011」アニュアルカレンダー 18KWG(ホワイトゴールド)

今回、保証書日付が2019年12月と比較的新しい時計が入荷いたしました。今年の12月までメーカー保証期間が残っている点も嬉しいポイントです。

シンプルですっきりとしたドット型のミニッツスケールと、バトン型の立体的なアワーマーカー、そしてドフィーヌ(ドルフィン)針と、ダイヤルはまさしく初代の「Ref.96」。現行モデルのカラトラバ「Ref.5196」を彷彿とさせるデザインで、飽きが来なく、様々なシーンで長くお使いいただけるモデルです。

アニュアルカレンダー (年次カレンダー)は、その言葉の通り”年に一回(2月)のみカレンダー調整”が必要になりますが、実用面やカレンダー調整も比較的容易なことを考えると、日常使いに適した時計だと個人的に思います。

こちらの時計ですが、使用による細かなスレや小キズはございますが、ケースはノンポリッシュと思われる個体ですので、あえて外装仕上げはせずに販売いたします。革ベルトは多少の使用感、皺感はありますが、汗じみや匂いうつりなどはなくオススメ個体です。

まとめ

何度もお伝えはしておりますが【 パテックフィリップ 】の時計は市場での流通個体がロレックスなどと比べても圧倒的に少ないです。

出会い的な要素も強いブランドですので、しっかりと知識をつけて後悔しない1本と出会っていただけますと幸いです。

私としては、頑張って沢山の商品を仕入れ、有益な情報をお届けし、皆さまに1本でも多くご案内出来るよう、引き続き日々奮闘します(笑)

最後に、以前お話した『ノーチラス』「Ref.5711」廃盤説ですが、今日お話をしたお客様からも濃厚な線であるとの情報をいただきました、、、どうなることやらですが、まだ静観ですかね、、、

では、また!

この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。
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