90年代から2000年代中盤といった時代に現行だった世代のカラトラバ5000。
バリーエーションとしては、WG、YG、RGがありますが、最初に出たのがWGで、YGとRGはそれと入れ替わるように登場した模様です。
中古として、最もよく見かけるのはYGなのですが、そのYGを例としても「黒文字盤」という要素が存在。
5000系は、何かと他のカラトラバとは一線を画す存在で、目立つカラトラバだといえるでしょう。
さて、今回そんな5000のRGモデルが久々に出現したのですが、これを見かけるのは3年ぶりといっても過言ではありません。
この5000R-001は、2017年頃までかろうじて出てきた傾向がありましたが、それでも、年に1度や2度といった登場頻度でした。それが、なぜか2018年頃から全く見かけることがなくなってしまったのです。
この5000R-001の特徴としては、ピンク文字盤が採用されているという点なのですが、これもまたカラトラバとしてはレア要素だといえます。
『ローズゴールドにピンク文字盤』という組み合わせは、この時代のトレンドといった感覚があり、実際、パテックフィリップでは5055R-001、ヴァシュロンコンスタンタンではサルタレーロなどに、「RG+ピンク文字盤」が採用。他のK18素材では白文字盤といった文字盤色だったのに、RGだけはピンク文字盤という構成だったのです。
2000年前後といった時代、RGという素材はまだ珍しかったため、変わり種感覚として「ピンク文字盤」といった冒険ができたのかもしれません。
この色合は、2000年当時において「新しさ」を感じられる印象でしたが、それから20年が経過した今の感覚でも魅力的だといえます。
腕時計においてRGという素材は、2000年代中盤頃から特に珍しいといった存在ではなくなり、YGと同じぐらいオーソドックスなK18として定着。今でも、ロレックスデイトナやデイデイトに「RG+ピンク文字盤」があるものの、雲上系ではこの組み合わせが減った印象です。
そのような要素から、この5000Rという存在は、レアで魅力的に感じるわけですが、それに加えて、「なかなか登場しない」という入手困難さがその良さを引き立てていると思います。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年1月 の安値 |
2021年2月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
カラトラバ 5000R |
中古 | 3年 1ヶ月 |
¥1,399,000 | ¥1,580,000 | 181,000 | 112.94% |
この5000R-001、前回お伝えしたのが約3年前の2018年1月なのですが、その際の水準は約139万円でした。
当時は、YGの5000G-001このような水準だったため、RGとYGはほぼ同じといったところだったのですが、今ではRGのほうが10万円以上高いといった状態になっています。
そして、2018年1月⇒2021年2月現在までの値動きは、約18万円の上昇という変動になったわけですが、その結果、この5000R-001は150万円台に到達。
この150万円台という価格帯は、この世代のカラトラバとしては「平均以上」といった感覚だといえます。
とはいうものの、同じ世代で最も高いといえる、5107R-001と比べると“80万円も安い”わけですから、数年に一度しか登場しないレアモデルということを考慮すると、現在水準はお得感があるといえるでしょう。