現実的に「購入対象となる腕時計」として、実際に買うかは別として、「無理すれば買えるかもしれない」という価格帯は年々上がってきたといえます。
例えば、ロレックスブームと呼ばれた2000年頃の時代においてのそれは、100万円台といったところでしたが、2007年頃からは300万円台ぐらいにまで変化。
そして、2010年代には大きく変化し、特に2017年以降は年々『500万円台⇒700万円台⇒900万円台』といったように大きく変わったといえるでしょう。
そういったことを牽引した存在といえるのが、このデイトナ116506だといえるのですが、なぜかというと、この腕時計が、高価格帯でありながら値動きするという事例を見せたからです。
例えば、「高い腕時計」のイメージが300万円台の時代には、500万円以上の価格帯となると、購入する人が限られていたため、需要が低かったわけです。
そうなると、価格変動は起こらず、それと同時に「多くの人から憧れられる」といった人気度も弱かったといえます。
実際、この116506は2015年頃において中古が500万円台中盤という水準だったのですが、その頃においては、正規店のショーケースに並んでいる様子が珍しくなく、入手困難という要素はなかったといえる側面がありました。
しかし、2017年頃からこの116506は、それまでの常識では“値動きしない”と思われていたような高価格帯でありながら、上昇するという偉業を達成。
ノーチラスなど他の人気モデルも高価格帯になったということも重なって、人気モデルというくくりでの「高価格帯」がどんどん変化していったわけです。
そして、116506は今、再びそういった価格帯を上げるのではないかという状況になっています。
というのも、この116506のボトム価格が988万円という水準になっているからなのですが、このような価格帯になると、またもや「憧れ腕時計の価格帯を変化させるのではないか」と思ってしまいます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年9月 の安値 |
2021年2月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ 116506 |
中古 | 0年 5ヶ月 |
¥9,350,000 | ¥9,880,000 | 530,000 | 105.67% |
この116506が、900万円台となったのは、2020年9月のことなのですが、その際935万円という水準に達していました。
この時点では、2020年8月⇒9月の1ヶ月間で約35万円の上昇という様子だったわけですが、900万円台になったというインパクトが強かったといえます。
そして、それから5ヶ月で116506は、53万円の上昇という変動になったわけで、その結果、今の価格帯は「900万円台後半」という状況に変化しているのです。
900万円台になったということに驚いてから5ヶ月で、もはや900万円台後半という様子なわけですから、116506の変化は凄まじいといえます。