オメガのスピードマスターには、無数のモデルが存在しますが、このムーンウォッチにもいくつかのバリエーションがあります。
長らく現行モデルだった3570.50世代には、3572.50、3573.50などがあるわけですが、それらはどのように違うのかというと、一言でいえば「ムーンウォッチの裏スケモデルである」ということになります。
ムーンウォッチという存在は魅力的な1本ですが、腕時計ファンからするとその裏スケ版が欲しいとなるわけで、その期待に答えて登場したのが3572.50だといえるでしょう。
ただ、ムーンウォッチを裏スケ化するということには、矛盾が生じます。
ムーンウォッチという名前の通り、宇宙空間でも難なく使えるというのが、このムーンウォッチに必要な要素であるわけで、そうなると風貌は「あえてプラスチック」となるわけです。
90年代時点で、すでにプラスチック風貌は、復刻モデルぐらいにしか使われなくなっていたわけですが、ムーンウォッチは頑なにプラスチック風貌を採用していました。
しかしながら、裏スケ仕様となると、裏蓋の一部をサファイアクリスタルにする必要があります。
そうなった結果、3572.50は文字盤側はプラスチック、裏蓋はサファイアクリスタルという仕様になっていたわけです。
そして、その後そういった矛盾を解消するかのように、文字盤側の風貌もサファイアクリスタルと改められたのが、この3573.50であります。
相場的には、この3573.50が高い傾向があり、3570.50と比べると頭一つ高い価格帯という印象があります。
3570.50といえば、先日お伝えしたように久々に上昇傾向となっている様子があるわけですが、そうなるとこの3573.50も値動きしている可能性があるといえるでしょう。
では、実際のところどうなっているかというと、やはりきちんと上昇している様子。
前回この3573.50をお伝えした2020年4月時点では約37万円という水準でしたが、2021年2月現在では約40万円というボトム価格に上昇。ついにこの3573.50は、40万円台という価格帯になったのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年4月 の安値 |
2021年2月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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オメガ
スピードマスター 3573.50 |
中古 | 0年 10ヶ月 |
¥371,800 | ¥404,800 | 33,000 | 108.88% |
この3573.50は、長らく「2015年水準が最も高い」といった状況がありましたが、2020年4月に2015年水準以上となっています。
そして、それから10ヶ月が経過した今では、3573.50はついに40万円台という水準に到達したわけですが、このような価格帯は「インパクトがある」といえるでしょう。