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現在相場考察

サファイアクリスタル版よりも安い、スピードマスター3572.50

2021年3月5日更新
オメガのスピードマスター3572.50について斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年11月の安値と2021年3月の安値を比較し現在相場を考察。この2年4ヶ月での変動は¥37,200だった。

スピードマスター 3572.50についての考察(2021年3月)

ムーンウォッチといえば、このところ久々に値動きしている傾向があり、全体的に以前よりも高くなっている感覚があります。

先日お伝えしたように、3570.50約30万円⇒約33万円というように変化。これは、2年ぶりの価格変動であります。

そして、その裏スケ版の3573.50については、なんと40万円台という水準に到達。これまでのムーンウォッチからすると、大きく価格ステージが変わったという印象です。

さて、そんな裏スケ版には、3573.50の他に、この3572.50も存在するわけですが、こちらはどうなっているかというと、やはり値上がりしている様子があります。

3572.50の2018年11月水準は約34万円だったのに対し、現在水準は約38万円といったところ。3570.50同様、2年前水準に対して3万円ほどの上昇となっているわけです。

しかしながら、この3572.50、2年前と比べて値上がり傾向であるものの、実は価格序列的には、3573.50よりも安くなってしまったという側面があるのです。

2年前の段階では、3573.50よりも、この3572.50のほうが高い序列となっていたわけですが、現在では、3573.50約40万円なのに対し、3572.50約38万円。序列は逆転してしまっています。

これら2つのリファレンスの違いは、風貌がプラスチックかサファイアクリスタルかという差なのですが、年式的にもこの3572.50のほうが古く、プラスチック風貌という特徴があります。

風貌部分だけを見ると、サファイアクリスタルのほうが「パーツそのものが高い」という印象があるものの、ムーンウォッチの売りであるプラスチック風貌は魅力的だといえます。

また、表がプラスチックなのに、裏蓋はサファイアクリスタルという3572.50のある種の矛盾が、逆にレア感を醸し出しているといえるため、中古腕時計相場といった観点では、2年前水準のように、3572.50のほうが3573.50よりも高いという序列が分かりやすかったともいえます。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年11月
の安値
2021年3月
の安値
変動額 残価率
オメガ
スピードマスター
3572.50
中古 2年
4ヶ月
¥345,600 ¥382,800 37,200 110.76%

現在相場では、なぜだか3572.50よりも3573.50のほうが高いといった価格序列になっているわけですが、2年前の段階では、3573.50は、3570.50との相場差が2万円程度といったところでした。ですから、“サファイアクリスタル風貌の裏スケ”は、2年前において、通常裏蓋のムーンウォッチに対して、それほど高く評価されていなかったといえます。

それが現在では、両者の差は7万円程度。2年前よりも広がったと同時に、この3572.50を抜かしてしまったわけです。

ですから、この2年という期間において、特に3573.50の評価が高まったといえるわけですが、なぜそういった評価になったのかが興味深いところだと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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