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現在相場考察

2017年水準とほぼ変わらない、アエロナバル3800ST/92/SW9

2021年3月3日更新
ブレゲの3800ST/92/SW9について斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年7月の安値と2021年3月の安値を比較し現在相場を考察。この3年8ヶ月での変動は¥4,200だった。

アエロナバル 3800ST/92/SW9についての考察(2021年3月)

2000年代前半において、ロレックスの売れ筋価格帯は30万円台だったといえますが、それ以上に高い価格帯だったブランドは、「超高級」というイメージだったといえます。

そういったブランドの中でも、「ブレスレット・ステンレス」という内容のモデルは、ロレックスに近い内容だったため、ロレックスユーザーから理解しやすい腕時計だったといえます。

ただ、その価格帯は50万円台といったところだったため、「随分高い腕時計」といった感覚があったといえるでしょう。

その価格帯に該当するのは、ロイヤルオークの14790や、オーバーシーズ42042などだったわけですが、それと同じ水準だったのがこのブレゲのアエロナバルとトランスアトランティックです。

これら両者には、革ベルト、ブレスレットなどのバリエーションがありますが、50万円以上だったのはブレスレットモデル。アエロナバルとトランスアトランティックの違いは、デイトの有無で、デイトが無いほうがアエロナバルであります。

ちなみに、このアエロナバルの「タイプXX」は1995年にデビューしたのですが、2004年にはこれよりも近代的な見た目の「タイプXXI」が登場。けれども、タイプXXはその際生産終了とはならず、つい最近まで現行モデルとして君臨し続けていたのです。

このタイプXXというモデルは、2000年前後といった時代に人気があったという印象がありますが、タイプXXI登場後も現行だったということを知らない方はそれなりにいるのではないでしょうか。

このような商品構成は、ユーザーからすると分かりづらいといえ、結局のところ、このアエロナバル3800ST/92/SW9の中古相場は、ここ数年において、2000年頃のイメージからするとあまり高くないといった水準が続いています。

特にこの5年ぐらいは、ブランパンエアコマンドと同水準といった印象だったわけですが、エアコマンドは2019年に50万円台⇒60万円台、2021年には70万円台となっているのです。

その一方で、このアエロナバル3800ST/92/SW9の現在水準は2017年7月とほぼ同じといった様子。2017年の記事で、このタイプXXが生産終了になったら評価が変わるのではないか、と考察しましたが、2018年に生産終了となってから現在にかけて、特に評価が変わるということはなかったようです。

本記事で参考とした中古腕時計

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ブレゲ Breguet アエロナバル 3800ST/92/SW9 腕時計 メンズ 中古

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年7月
の安値
2021年3月
の安値
変動額 残価率
ブレゲ
アエロナバル
3800ST/92/SW9
中古 3年
8ヶ月
¥523,800 ¥528,000 4,200 100.80%

このアエロナバル、2017年と相場がほぼ変わっていないため、2017年時点よりも相対的に安くなっているという感覚があります。

2017年時点では、先のようにエアコマンドと同水準だったわけですが、今ではエアコマンド70万円台。方や、このアエロナバルは50万円台ですから、価格帯が違うモデルといった印象になります。

また、2017年時点では、当時のスポーツロレックス最安値だったエクスプローラー114270などよりも、このアエロナバルのほうが高い水準だったのですが、現在では11427060万円台に到達。このアエロナバルは、現在50万円台ですから、今では、スポーツロレックス最安値よりも安価といった立ち位置になっているわけです。

さらに、このアエロナバル、2010年水準は約45万円だったわけで、現在水準はそれと7万円ほどしか変わっていないわけです。

2010年といえば、多くの腕時計が安い時期でしたが、そういった時代に45万円だったのがこのアエロナバルであるわけです。当時の5桁SSスポロレは、デイトナを除くといずれも40万円以下といった水準だったため、2010年という時代でもアエロナバルはSSスポロレよりも高い価格帯に位置していたわけです。

しかし、全体的にロレックスが高くなった2013年以降、このアエロナバルはあまり値動きすることがなく、結局現在でも、2010年水準から7万円ほどの上昇という値動きにとどまっている状態です。

その結果、今やアエロナバルの立ち位置は、SSスポロレ最安値よりも安いといった序列になってしまったわけで、随分お得感がある状態だといえます。

見た目の格好良さや、ブレゲというブランドのスポーツモデルであるということから、このアエロナバルは、人気要素が多いと思うわけですが、そうでありながら2010年水準と大きな変化がありません。近頃、多くの腕時計が値上がりしたからお得感がないと思っている方にとって、このアエロナバルという存在は貴重な1本だといえるのではないでしょうか。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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