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現在相場考察

久々に値動きしている状況、デイトナ黒文字盤16520

2021年3月9日更新
ロレックスのデイトナ16520について斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年7月の安値と2021年3月の安値を比較し現在相場を考察。この0年8ヶ月での変動は¥328,530だった。

デイトナ 黒文字盤 16520についての考察(2021年3月)

2010年代中盤の段階で、中古腕時計の相場は「十分高い」という印象でしたが、そういった感覚を打ち破るかのように、「さらに高くなった」のがこの16520です。

16520は、2015年の段階で約128万円という中古ボトム価格でしたが、それから2年近くに渡ってそのような水準から大きく変化していませんでした。

それが2016年12月になると、16520は目立って上昇。2016年といえば、夏頃から下落トレンドが起こっていましたが、16520の値動きはそのトレンドに終止符を打ったかのような感覚だったといえます。

そして、2017年になると、数ヶ月ごとに16520は上昇。他の腕時計もこれに続くかのように目立って上昇していったわけです。

しかしながら、2017年夏頃に200万円台となると、16520は値動きが停滞気味へと変化。その後、値動きしたものの、上昇スピードは鈍化したといえます。

16520黒文字盤は、2019年5月に275万円という水準にまで達したものの、その後は下落気味となり、2019年12月からは長期に渡って240万円前後といった状況が続いていました。

ノーチラス5711/1A-010も、つい最近まで停滞気味といった様子でしたが、16520の停滞期間はそれよりもだいぶ長いといえるわけで、もはや「あまり値動きしない存在」という感覚になっているといえる状態かもしれません。

16520という腕時計は、見た目の格好良さや、他社製ムーブメント最終世代という点、また、元祖プレミア価格といったことなどから、「常に2017年のような値動き」という印象があるものの、この数年の変化を見るとそうではないといえます。

また、2019年夏ごろから断続的に続いていた下落トレンドの際も目立って下落するといったことがなかったわけですから、人気モデルらしい値動きをしていなかったともいえるでしょう。

そのため、下落トレンドが終焉を迎えた2020年夏以降においても、回復するといった兆しを見せず、2020年7月の段階では約235万円という水準だったわけです。

そんな16520黒文字盤ですが、今、久々に値動きしている状況となっているのです。

現在ボトム価格は268万円といったところなのですが、これは2020年7月水準よりも32万円ほどの上昇という値動きであります。

これは、まさに「数ヶ月で数十万円」という変動であるわけですが、16520黒文字盤にとってはかなり久々な動きだといえるでしょう。

本記事で参考とした中古腕時計

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ロレックス ROLEX コスモグラフ・デイトナ 時計 腕時計 メンズ 16520 A7番 マーク7 黒文字盤 自動巻き 仕上済 101461817

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年7月
の安値
2021年3月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
デイトナ
黒文字盤
16520
中古 0年
8ヶ月
¥2,351,470 ¥2,680,000 328,530 113.97%

さて、このような値上がりとなった16520に対して気になるのは、現在水準が過去最高値に匹敵するか否か、ということです。

その答えは、先にお伝えした2019年5月水準と比較すれば分かるわけですが、その頃のボトム価格は275万円。現在は268万円ですから、「やや負けている」といったところであります。

ですから、16520黒文字盤は久々に目立った上昇となったものの、2019年上半期水準以上とはなっていないため、まだ2017年のように「凄い勢い」とはいえない感覚があるといえます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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