ヤフオクを使えば、自分が売りたい商品を直接買いたい人に届けることが可能です。お店の買取サービスを利用する場合、お店は「あなた」から仕入れた時計を相場価格で販売します。この〝販売〞をする場所は、お店だけでなく自社のネット販売も含まれ、その中にヤフオクが入ることも珍しくありません。そして、自分でヤフオクに出品するということはお店の売値と同等の価格で販売することが可能なのです。2016年時点での手数料は落札金額の8%。マージンの中では安い部類といえるでしょう。とはいえ、実際に商品が落札されるためには2つの努力をしなければなりません。2つの努力とは、自身が『信用できるID』であると思われること、そして『魅力的な商品を演出すること』です。
信用されるIDを作るには
ヤフオクの出品者において最も大事なのは「評価」です。この評価が「新規」の状態だとほとんどの人は怪しいと思い、欲しい時計であっても落札するのを躊躇するでしょう。明らかに業者だと分かる「新規」IDならまだしも、出品総数がその時計一品のみで画像も見づらい「新規」のIDは『詐欺に巻き込まれるのではないか』という不安感を与えます。
信用されるIDを作るには単純に評価数を上げればいいのです。評価は、商品を買うか売るかすれば、「1」が手に入ります。100万円の時計を買おうが、200円の雑誌の切り抜きを買おうが、買いさえすればその商品の出品者から自然と「非常に良い」という評価をもらえることでしょう。
ここで『信用されるID作り』の全体像をご説明しましょう。
ステップ1-ヤフオクIDを作る
ヤフオクIDは画面を見ながら簡単に作れます。
ステップ2-落札して評価をためる
本や雑誌の切り抜きなど送料込500円以下の安価な商品を20個ほど落札する。ここで2点注意が必要なのですが、すべて違う出品者から買うことと、同じ商品を1個以上落札しないことが重要です。同じ出品者から評価を1回以上受けても評価のポイントが加算されません。つまり、せっかく商品を落札しても評価が増えないのです。
ステップ2が完了した時点で、あなたのIDには評価が「20」たまっているはずです。たまに評価をしてくれない出品者が存在しますがその場合、相手の評価を「非常に良い」と付けた状態で、こちらの評価を催促するメールを送りましょう。
ステップ3-商品を出品する
できればこのタイミングでデジカメがあったほうがいいのですが、ない場合はスマートフォンでも構いません。ヤフオクの出品はできればパソコンで行った方がスムーズなので、撮った写真はパソコン宛にメールで送信しておきましょう。やる気がある方はデジカメを購入されることをオススメします。CanonのGシリーズ(現在はG16)ならば3万円台で購入でき、ボタンを押すだけできれいな写真が撮影できます。さらに5000円程度で買える背景用の撮影セットがあるといいでしょう。
撮影環境が整ったら、赤字覚悟の安値で1点出品してみます。出品する商品は以前ヤフオクで落札した商品です。出品の方法はカテゴリを選択し、タイトルと画像を入れるだけですが、戸惑うかもしれません。そういう場合は、以前落札した商品のページを見て、真似してページを作ってしまえばいいのです。
ステップ4-商品が落札される
商品が落札されたら、落札者にメールを送らなければなりません。メールの文面も、以前自分が落札した時に出品者から送信されたメールを参考にすれば簡単に完成します。もしも商品が落札されない場合は、広告機能を利用することが可能です。最もいいのは、その商品があるカテゴリ内で優先的に表示させる「注目のオークション」という広告です。1日あたり20円(税別)以上と安く、オークション方式で順位が決定されるのです。例えば、金額を決定した後に他のライバルが40円で1位をとっていたら、41円にするだけでこちらが1位になります。
ステップ5-ステップ2で落札した商品をすべて売却する
すべて売却した時点であなたのIDは「40」という評価になるでしょう。これで完成。投資用腕時計を自分のIDでヤフオクに出品できます。
このステップ1から5が効果的なのは、評価数を増やすと同時に、初心者がヤフオクに無理なく馴染める点です。最初は落札だけをしていることが重要で、そうしているうちにヤフオクに慣れてきます。そして、慣れたタイミングで出品者になり、自分の商品が落札されるという経験をすると、ヤフオクのしくみが一気にわかってしまうのです。このIDを作る費用はそんなに高くはありません。仮に500円の商品を20点買って半額の赤字で売却したとしても費用は5250円で済みます。
もっとも、ここまでやるのが面倒くさいという人がいることでしょう。合計評価数「40」はこれだけやれば完璧、という数ですので、実際は10品落札⇒10品出品、合計評価数「20」でも構いません。さらに、ヤフオクを始めたら欲しいものが出てくるでしょうから、そうすれば実際の評価は「20」以上になるのです。また、ヤフオクIDを持っていない知人の落札代行や出品代行も積極的に受け、評価を増やしましょう。
また、評価「20」や「40」のIDが完成したら、それとは別に落札専用のIDを作りましょう。『信用されるID』は出品専用にすることで自分が落札した商品の評価を見られなくし、「過去にヤフオクで落札した商品を出品している」という悪いイメージがつくのを避けられます。このことにより、ヤフオクで買った時計を同じヤフオク内で売却しても高く売るということが可能になるのです。
腕時計投資のすすめ 174-178ページより抜粋 |