サービスは体験してしまったら、その後の経済価値は即0円。ですが、モノは即0円ではありません。しかしながら、モノの中でも即0円になってしまうものは当然ありますし、買った値段よりも高くなるモノだってあるわけです。では、どのようなモノの経済価値(以下、価値と表記)が残りやすく、反対にどのようなモノが即0円になってしまうのでしょうか。
即0円にはならないけど、価値が残りづらいモノ
世の中で売られているモノのほとんどは、即0円にはならないけど、価値が残りづらいモノでしょう。とくに価値が残りづらいのは、洋服や靴です。両方ともシーズンごとに新作が出る上に、人によってサイズがバラバラ。売りたい人がいて、その服を買いたい人がいたとしても、サイズが違っては需要と供給が成り立ちません。よって、服や靴は特に価値が残りづらいといえます。
価値が残りやすいモノ
服の価値は一般的には残りづらいですが、一方で価値が残りやすい服もあります。新品の販売価格が高くなおかつマニアックな服は価値が残りやすいのです。例えば、原宿竹下通りをお人形さんのような格好をして歩く〝ロリータちゃん〞が愛用する服がそれにあたります。ロリ系ファッションブランド『イノセントワールド』のジャンパースカートは、新品の定価が約2万5000円(税込)。何回か着用されたものがヤフオクで1万7500円で落札されています。
また、パソコンのキーボードにも価値が残りやすいモノが存在します。読者の多くの方は、パソコンのキーボードなんぞに価値があるものか、とお思いでしょう。おっしゃる通り、そのへんで売っている安価なキーボードや、デスクトップパソコンを買ったらついてくるようなキーボードの価値は残りづらいです。しかしながら、キーボードには高級品が存在するのです。東プレが販売する『Realforce』やPFUが販売する『HHKB』がその代名詞です。
両者とも流通価格は1万5000円から2万円ぐらいします。「パソコンのキーボードにそんなにお金をかけるなんて、なんて無駄なんだ!」と叫ばれそうですが、実はこれらのキーボード、価値が残りやすいモノなのです。具体的にはヤフオクで定価の3000円引きぐらいの価格で落札されたりしちゃいます。つまり、2万円で買ったキーボードは1万7000円で売れる可能性があるということです。実際、わたしもRealforceを愛用しているのですが、他の色が欲しくなって一度買い替えた際、それまで使っていたものをヤフオクに出品したら購入価格の2000円引き程の価格で落札されました。つまり、損した額は2000円なので、2000円で買ったのと同じこと、というわけです。
さて、最もメジャーな〝価値が残りやすいモノ〞といえば、エルメスのバーキンや、ルイヴィトンなどの高級ハンドバッグでしょう。特にバーキンは中古でも定価超えという驚異的な価値を誇っています。甘ロリお洋服や高級キーボードなどと違い、ドン・キホーテでも中古で販売されているほどメジャーな〝価値が残りやすいモノ〞です。
ここまで見てきた事例からおわかりいただけたでしょう。価値が残りやすいモノとは、「販売価格が高い」ことや「マニアックさ」がキーになるのです。
腕時計投資のすすめ 16-19ページより抜粋 |