今では「回転ベゼルのデイトジャスト」という存在をあまり目にすることはなく、その存在も半ば忘れられているかもしれません。
ただ、5桁世代までそういったデイトジャストは「サンダーバード」として有名で、それなりに知名度があったモデルだといえます。
そして、デイトジャストが6桁世代へ以降すると、サンダーバードは「ターノグラフ」へと変化。文字盤上にも「TURN-O-GRAPH」という記載が入り、これ専用の独特な要素が採用されることになったわけです。
その最たる例が、デイト表示が「赤」という点なのですが、これはロレックスとしてはかなり珍しい要素だといえます。
現行世代でも、5桁世代においても、ロレックスのデイト表示は「黒」しかなかったわけで、「赤」が採用されていたのは1950年代頃までに遡るわけです。
また、「赤」という配色は、デイト表示に限らず、針、「TURN-O-GRAPH」表記とコーディネートされており、非スポーツ系としては、唯一といって良いほどの特殊仕様だといえます。
ちなみに、このターノグラフと同世代の6桁デイトジャストにも「赤」デイトは採用されていましたが、そちらは「赤」と「黒」の交互。それも、高年式になると廃止された模様です。
ただ、旧6桁世代には、このターノグラフに限らず、それまでのロレックスでは絶対に採用されなかったような要素が多々採用されたという事例があるわけで、このターノグラフだけが特殊だったというわけではありません。
それら旧6桁特有の要素は、GMTマスター2の緑文字盤、青サブのマットな文字盤、緑サブのサンレイ緑文字盤だったりするわけですが、現行の“新6桁”になると、採用されることがなくなりました。
そういった意味では、旧6桁世代は、「異色な世代」だったといえるわけで、今後さらにその“異色さ”を強く感じても不思議ではないでしょう。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年5月 の安値 |
2021年3月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトジャスト ターノグラフ 白文字盤 116264 |
中古 | 1年 10ヶ月 |
¥627,900 | ¥723,000 | 95,100 | 115.15% |
このターノグラフ116264白文字盤のこれまでの値動きについてですが、2016年8月に約49万円、2018年5月に約56万円、2019年5月に約62万円、2021年3月現在が約72万円というようになっています。
「1年で数十万円の上昇」というような値動きをするわけではありませんが、これまでじわじわと上昇した結果、数年前と比べると、随分異なる価格帯にまで上昇していると感じます。
スポーツモデルを中心とする他のロレックスとは異なる値動きではありますが、「ゆっくりとマイペースで値動きする」というような感想となります。
そして、今後「旧6桁世代特有の要素」が注目された場合、このターノグラフという存在は、無視することができないわけで、どのような評価の変化が生じるか楽しみだと感じます。