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現在相場考察

ピンク文字盤が評価されている、エアキング14000

2021年3月20日更新
ロレックスのエアキング14000について斉藤由貴生が執筆。本記事では2011年3月の安値と2021年3月の安値を比較し現在相場を考察。この10年0ヶ月での変動は¥216,140だった。

エアキング ピンクアラビア文字盤 14000についての考察(2021年3月)

エアキングといえば、2016年にスポーツモデルへと変貌を遂げたわけですが、今年でそれから早5年の月日が経過。もはや「スポーツ系」という印象が定着したように感じます。

ただその一方で、この14000「ピンクアラビア文字盤」を見ると、90年代後半といった時代の記憶が蘇ってくるような感覚があり、当時流行っていた高級腕時計に対する懐かしい感覚を思い出すような気がします。

その頃、大人気だったのがエクスプローラー14270だったわけですが、そちらがプレミア価格だった一方、エアキングの実勢価格は20万円台という様子でした。

これが、ロレックスとしては最も安価な存在で、まさにエントリーモデル。エクスプローラーのように「憧れの人気モデル」というキャラクターではありませんでしたが、安価な価格帯から、多くの人に「初めての高級腕時計」として選ばれるような感覚もあり、特にエクスプローラーに雰囲気が似ているアラビア数字の文字盤が人気だったという傾向がありました。

14000の中で一番人気だったといえるのは、アラビア数字の青文字盤ですが、それがエクスプローラーに最も似ている見た目だったといえます。

その一方で、同じアラビア数字でも、このピンク文字盤はエクスプローラーの黒文字盤とは明らかに異なるわけですが、このサーモンピンクの色合いがそれなりにインパクトがあり、隠れた人気モデルだったと感じます。

そのため、筆者はこの14000のピンク文字盤を見ると「懐かしい!」と思ってしまうわけです。

そして今、この14000ピンク文字盤を見ると、90年代後半頃に現行だった時代のモデルの独特さを感じ、かつてよりも魅力的に見えます。また、当時のRGモデルに採用されていたピンク文字盤や、90年代後半タグホイヤーに積極採用されていたピンク文字盤などとともに、14000からはある種の懐かしさをも感じるわけです。

このようなことから、ピンク文字盤の14000には、以前よりも魅力が増している感じられるわけですが、それは相場を見ると、実際に評価されているということが可視化できます。

なぜなら、この14000のピンク文字盤は、現在約39万円という水準に達しているからなのですが、これはかつてよりも随分値上がりしていることはもちろん、14000として相対的に高い価格帯となっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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ロレックス エアキング 14000 メンズ

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2011年3月
の安値
2021年3月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
エアキング
ピンクアラビア文字盤
14000
中古 10年
0ヶ月
¥181,860 ¥398,000 216,140 218.85%

なお、この14000ピンク文字盤のこれまでの値動き変遷をお伝えすると、

  • 2011年から2012年までにかけておおよそ10万円台後半という水準
  • 2013年に20万円以上となり
  • 2014年まで20万円台前半が続く
  • 2015年からは25万円前後となったものの
  • 2016年に20万円台前半に下落
  • その後20万円台後半に上昇するが
  • 2020年までその水準がづついていた
  • ということになります。

    14000に変化が起こったのは、2020年9月のことだったのですが、その際、青アラビア文字盤が30万円台となっていました。

    ちなみに、現在における14000全体としてのボトムは銀バー文字盤の約30万円という水準ですが、14000全体としても30万円以上という水準になっているわけです。

    そして、このピンクアラビア文字盤に関してはすでに40万円近いともいえる状況です。

    実は最近まで約37万円という個体があったのですが、そちらは記事準備中に売り切れ。このような短期間で売切れとなっていることからも、14000ピンク文字盤は、それなりな勢いを感じる様子だといえます。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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