5桁世代のオイスターパーペチュアルには、SSモデルは存在せず、コンビ以上がラインナップされていました。
なぜSSモデルが存在しなかったかというと、おそらくエアキングとのバッティングを避けるためであると思われます。
ですから、この時代のオイスターパーペチュアルは、エアキングのコンビ&YG版相当といった印象にもなるわけです。とはういものの、オイスターパーペチュアルというシリーズは、エアキングよりも1つ上のグレードであることは確かであるわけで、実際、ムーブメントもクロノメーター仕様となっています。
5桁時代のエアキングといえば、ノンクロノメーター仕様のムーブメントが採用。また、サブマリーナノンデイトも同じくノンクロノメーター仕様でした。
これら“デイトなし”のモデルは、2001年に新世代ムーブメントへと変更されたわけですが、その際、ムーブメント末尾に「M」が付属。同じ内容の変更で、クロノメーター仕様だったエクスプローラーについては、「14270M」とはならず、114270となったのが興味深いといえます。
さて、そのようなことを前提として、この14203Mを見ると、「クロノメーター仕様なのに[M]」という点が面白いと感じます。
ただ、こういった例外的要素は特に注目されることはなく、14203Mは「新しい年式の14203」といった感覚で14203よりもやや高い価格帯となっていた傾向がありました。
例えば、14203が40万円台後半という水準の場合、14203Mは50万円台となっていたわけで、「14203よりも頭一つ高い」といった感覚だったといえます。
このような相関は、2018年頃までのエクスプローラー14270と114270に近いと感じるわけですが、この14203Mの場合、114270よりも数が少ない傾向があるため、「14203よりも高い」のはより自然という印象でした。
しかし今、そんな14203Mはなんと14203よりも安価といった状態になっているのです。
最近といえば、多くのロレックスが上昇している印象がありますが、そういった状況下でこの14203Mは、2019年3月水準よりも値下がりという状態。その結果、現在、なんと40万円台後半という価格帯で購入することが可能となっているわけです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年3月 の安値 |
2021年4月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
オイスターパーペチュアル 14203M |
中古 | 2年 1ヶ月 |
¥518,000 | ¥479,600 | -38,400 | 92.59% |
この14203Mは、2019年の段階で50万円台に到達していたわけですが、その頃は14203とともに同世代のエクスプローラーよりも高いという印象がありました。
実際、長らく14203、14203Mはエクスプローラーよりも高い価格帯に位置していたわけですが、14270が50万円台となってからは相場が逆転。そして今では、14270、114270は60万円台となっているため、その差は広がる一方であります。
これまで、エクスプローラーと同じように値動きしていた14203Mがなぜここにきて、このような状況となっているのかは謎ですが、お得感があることは確かだといえます。
ちなみに、14203については、現在約55万円という水準となっているため、過去と比べて「高くなった」という印象があります。ただ、それを例としてもエクスプローラーと比べてしまうと、安価な価格帯であるわけです。
そういった意味では、なにかと14203、14203Mという存在は、今お得感があるように感じます。