2011年に、6桁世代のエクスプローラー2としてデビューした216570ですが、ここ数年の中古相場はどういった印象だったかというと、「あまり高くない」という感覚でした。
というのも、最近のスポーツ系における人気要素が「セラミックベゼル」となっているからで、それを含まないスポーツ系は、どれも安価といった傾向があったわけです。
とはいえ、この216570については、2020年秋頃から異変が見られた様子となっていました。
2020年10月には、黒文字盤が「5ヶ月で約13万円」という動きとなっていたのですが、これは『この5年で最も派手な動き』といえる様子だったわけです。
そして、そういった値動きは2021年になっても続き、3月初旬には白文字盤、黒文字盤ともに中古ボトム価格が100万円以上に到達。それまで、「非セラミックベゼル」のスポーツ系は、どれも100万円以下といった感覚があったわけですから、大きな変化だったといえます。
また、白文字盤に関してはサブマリーナ114060等に迫る勢いとなっていたため、「セラミックベゼルとの相場差がかなり縮まった」という感覚でもありました。
216570が2020年秋から2021年春にかけて、そういった値動きとなっていたのは、おそらく「生産終了になるのではないか」という情報が関係していると思います。
実際、エクスプローラー2は、今年2021年で誕生50周年という節目であるわけですが、6桁世代以降のロレックスでは、このような節目に大きなモデルチェンジを行う傾向があります。
例えば、2017年にデビューしたシードゥエラーの126600には、「赤シード」という電撃復活要素が盛り込まれたわけですが、このタイミングこそ、「シードゥエラー登場50周年」であるわけです。
そのため、エクスプローラー2にもそのような期待感があったといえるわけですが、今回のモデルチェンジでは、マイナーチェンジに近いような変更ということになりました。
そうなると、生産終了が発覚した216570の相場が「あまり変化しないのでは」と思うところですが、実際のところどうなっているのでしょう。
現在216570全体のボトム価格は黒文字盤。その価格は約130万円であります。
前回お伝えした2020年10月時点で黒文字盤は、約95万円というボトム価格だったため、この半年間で約34万円の上昇ということになるわけですが、生産終了発覚後にそれなりに伸びたと感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年10月 の安値 |
2021年4月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
エクスプローラー2 黒文字盤 216570 |
中古 | 0年 6ヶ月 |
¥957,999 | ¥1,305,600 | 347,601 | 136.28% |
この約130万円という水準についてですが、エクスプローラー214270の現在水準よりも安く、サブマリーナ116610LNよりも高いという様子です。
サブマリーナ116610LNは、9月に生産終了が発覚した際、約136万円という水準に達しましたが、その3ヶ月後には120万円にまで下落。現在ボトム価格も約119万円と、12月と同じような水準となっているわけです。
新しいサブマリーナは、サイズが1mm拡大されたため、旧型となった116610LNとの差は「ある」といえます。その一方で、エクスプローラー2の216570と、今回登場した226570の見た目的な差は「あまりない」ともいえるため、2018年のシードゥエラーディープシーやヨットマスターなどと同じような変更だといえます。
そういった意味では、この216570の値動きは、今後どうなるか興味深いわけといえますが、大きく変更した214270よりも安価という価格序列は自然ともいえます。
また、エクスプローラー(1)が最も高く、その次にエクスプローラー2、サブマリーナ(116610LN)、GMTマスター2(116710LN)が続く、という現在の中古相場は、2000年代前半と同様の序列といえるため、「人気モデル」が再びエクスプローラー系になるという可能性もないわけではないでしょう。