「良い時計なのに中古が安い」という筆頭格が、90年代ブランパンだといえますが、それはいずれも50万円前後といった価格帯で、100万円、200万円クラスの内容が楽しめるという“良さ”があったといえます。
ただ、その反面、それらブランパンはいつの時代でも中古相場が大きく変わらないという印象があったわけで、「今買わなくてもよい」というように、ユーザー心理としては後回しとなる可能性もあったかもしれません。
しかし、そんな90年代ブランパンは今、これまでに見たことがないような値動きを見せている状況に変化しているのです。
最初にこのような動きとなったのは、エアコマンドですが、以前の記事でお伝えしたように、現在相場は70万円台となっています。
エアコマンドは、2015年頃から2019年12月までの間、50万円前後といった価格帯に位置していましたが、2019年12月に60万円台へと変化。2021年2月には70万円台となっているのです。
そして、今回お伝えするのは、レマンフライバッククロノグラフ。こちらも、エアコマンドに続くかのように値動きしている様子があります。
このレマンフライバッククロノグラフ、2015年から2019年4月までは、だいたい40万円前後といった感覚だったのですが、2019年4月には約54万円に変化しています。
そして、それから2年が経過した現在水準は、約67万円。2年前と比べて、13万円ほど高くなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年4月 の安値 |
2021年4月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ブランパン
レマン フライバッククロノグラフ 2185F-1130-71 |
中古 | 2年 0ヶ月 |
¥546,000 | ¥678,000 | 132,000 | 124.18% |
このレマンフライバッククロノグラフは、エアコマンドよりもやや安価といった価格帯に位置していますが、このような価格序列は、2015年頃から同様という印象です。
ただ、エアコマンドよりも10万円ぐらい安いという感覚があったとも感じられるため、現在のような価格差は、以前よりも差がなくなっているといえるでしょう。
そういった意味では、このレマンフライバッククロノグラフはエアコマンドよりも上昇幅が大きいといえるわけです。
ただ、そういはいっても、かつての定価や内容を考慮すると、現在水準をもってしても、他の腕時計と比べるとお得感があるといえる状態です。
実際、「フライバッククロノグラフ」という機構は「高い」という印象があるわけですが、このレマンは、値上がりした現在水準をもってしても約67万円という金額で購入可能なのです。