5桁世代⇒6桁世代となったのは、2004年のデイトジャスト116233からだといえますが、スポーツ系は2005年に登場したGMTマスター2が最初だったといえます。
その際、大きな特徴として「セラミックベゼル」が採用されたわけですが、それから2010年頃にかけて、サブマリーナなどが6桁世代へ移行しました。
しかし、シードゥエラーに関しては、2008年にディープシーが新登場した一方、通常モデルの6桁化は行われなかったのです。
通常モデルの6桁世代バージョンが登場したのは、2014年になってからのことだったわけで、5桁⇒6桁という世代交代が“かなり遅い段階”で行われたモデルだといえます。
そして、興味深いのは、旧6桁⇒新6桁への移行に関しては、“かなり早い段階で行われた”という点。新6桁の幕開けは、2016年に登場したデイトジャスト126333からだといえますが、シードゥエラーが、旧6桁⇒新6桁となったのは2017年のこと。
その際、ディープシーでない、通常のシードゥエラーとして126600が登場したわけですが、同時に116600が生産終了となったわけです。
先のように、116600は2014年の登場であるため、2017年のタイミングで生産終了となるということは、生産期間が「たったの3年」ということになります。
ですから、2017年に116600の生産終了が発覚した際、「派手に上昇」という現象が発生。2016年10月の段階で約73万円という水準だったのが、2017年6月には約112万円となっていました。
その際、116600は、8ヶ月で約39万円という値動きをしたわけですが、2017年当時の印象としては、このような値動きはかなり派手。他にこういった値動きをする存在があまりなかったため、「レアで高いシードゥエラー」という印象になりました。
しかしながら、その後この116600はあまり大きく値動きするということはなく、2019年までそういった状況が続いていました。
2019年には、130万円台にまで上昇したわけですが、その後は断続的な下落トレンドによって、長らく130万円台となっていました。
そして、断続的な下落トレンドが終焉を迎えた2020年8月、この116600は145万円にまで上昇。下落トレンド時に「目立った値下がり」となっていたわけではありませんが、この時点で「2019年上半期以上」となっていたわけです。
これまでこういった経緯があった116600ですが、2021年4月の今、なんと久々に目立った上昇となっている様子があるのです。
116600の現在水準は、約163万円となっているのですが、これは2020年8月水準と比較して約18万円の上昇という様子。その結果、116600はついに160万円台という価格ステージになっている状況です。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年8月 の安値 |
2021年4月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
シードゥエラー 116600 |
中古 | 0年 8ヶ月 |
¥1,450,000 | ¥1,632,000 | 182,000 | 112.55% |
116600のこれまでの値動きを見ると、この160万円台という価格帯は「かなり高くなった」という印象になるわけですが、興味深いのは他のモデルと比較した価格序列です。
その比較対象こそ、同じ2014年に登場したディープシーのDブルー文字盤なのですが、これまでの事例では、Dブルーのほうが高いという序列が当たり前でした。
116600は約3年という短期間で生産終了となったため、2017年以降100万円以上という水準となっている一方で、Dブルー文字盤はデビューした段階から100万円を大きく超える相場だったわけです。
実際、2017年頃までDブルー文字盤は、116520などSSデイトナよりも遥かに高い水準だったわけで、「最も高いSS現行モデル」という感覚でした。
しかしながら、そんな116660のDブルー文字盤の現在ボトム価格は、なんと約157万円という水準。
この116600のボトム価格は、約163万円ですから、今や「Dブルーよりも116600のほうが高い」という序列になっているのです。