「憧れの高い腕時計」というキャラクターは、基本的に変わらないのではないか、と思っている方がいらっしゃるかもしれませんが、実はそういったキャラクターは数年に一度のタイミングで変わるといえます。
もちろん、デイトナのように20年前からずっと人気というモデルもあるわけですが、実はそのデイトナを持ってしても、「イメージが異なる」といえる場合があります。
ここ数年の間において、そういった変化があったのが2017年だといえるのですが、その年を境目に、「価格帯が高い人気腕時計」といった存在に対するイメージが変わったといえます。
では、2016年以前において、どういった腕時計がそれに当てはまったのかというと、それは以下の2本だといえるかと思います。
2016年以前という時代における、これら2本の価格序列は「デイトナよりも高い」という状況だったわけです。
その時代といえば、116520がSSデイトナの現行モデルだったわけですが、当時の中古水準は110万円程度といった状況でした。
その一方で、116680の中古相場は150万円台という水準。116680の2016年4月水準は約150万円だったわけですが、この水準でも2014年よりも「値下がり」という状況だったのです。
ですから、2017年頃までにおいて、『最も高いSS現行ロレックス』という立ち位置は、まさにこの116680やディープシーのDブルー文字盤が担っていたといえるわけですが、2017年以降にそういった価格序列が変わっていきます。
そして今や、これら2本よりも高い水準となったモデルが多々ある状況となっているわけで、116680のこの3年4年ぐらいの印象は「すごく高いモデル」という印象でなくなったといえるかもしれません。
なぜこのような状況になったかというと、その理由は、長らく116680の相場が目立って変化しなかったからでしょう。
ただ、2020年11月頃からそんな116680の相場に変化が見られるようになります。
2019年8月水準は約172万円だったのに対し、2020年11月水準は約189万円となっていました。
そして、それから今にかけて、116680はさらに上昇し、現在水準はなんと約203万円という様子に変化。ついに200万円台という中古相場となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年11月 の安値 |
2021年4月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
ヨットマスター2 116680 |
中古 | 0年 5ヶ月 |
¥1,892,000 | ¥2,027,800 | 135,800 | 107.18% |
この200万円以上という中古ボトム価格は、これまでみた116680の中古水準としては最も高いといえるわけで、まさに過去最高値更新といった状況。
しかし、その一方、このような相場にまで上昇したものの、デイトナ116520と比べると「依然として安い」という序列には変わりません。
現在、116520のボトム価格は240万円台となっているわけで、この116680よりも40万円程度高い価格帯に位置しているのです。
とはいえ、この116680を「Dブルー文字盤」と比較すると、かなり優秀という見方もできます。
2017年頃まで、ともに「現行SSで最も高い」という水準に位置したこれら2本ですが、Dブルー文字盤(116660)の現在水準は約157万円。先日の記事でもお伝えしたように、同じ世代のシードゥエラー116600よりも安いわけです。