2019年頃から、アクアノートの人気トレンドは「ラバーベルト」という状況になっており、「ブレスレットよりもラバーベルトのほうが中古相場が高い」という様子もみられました。
そういった傾向は5066など第一世代で起こっていたわけですが、今年2021年になると第二世代でも「ラバーベルトのほうが高い」という現象が発生。
2021年1月において、5167A-001のボトム価格は約456万円に達していましたが、同じ頃、5167/1A-001は432万円だったのです。
ですから、その時点では「ブレスレットのほうが20万円以上も安い」という状況だったわけです。
しかしその後、ブレスレットは反撃するかのように上昇。3月時点で5167/1A-001は約490万円になり、4月には545万円にまで到達しています。
その際、5167/1A-001は『1ヶ月で約54万円の上昇』という値動きとなっていたわけですが、こういった様子は2017年のノーチラス5711/1A-010を彷彿とさせます。
ブレスレットの5167/1A-001がこのように派手な変動となっている一方、ラバーベルトのほうはどうなっているのでしょう。
その答えは、5167A-001の現在水準を見れば分かるわけですが、現在、5167A-001は495万円というボトム価格であります。
「ブレスレットよりも高い」という状況だった1月水準は約456万円だったわけですから、その頃と比べると、約38万円の上昇という値動きを見せていることになります。
しかしながら、ブレスレットの5167/1A-001は、さらに派手な値動きとなっているわけで、5167A-001は、現在「ブレスレットよりも高い」というわけではないのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年1月 の安値 |
2021年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
アクアノート 5167A-001 |
中古 | 0年 4ヶ月 |
¥4,565,000 | ¥4,950,000 | 385,000 | 108.43% |
「ラバーベルトのほうが安い」という現象は、第一世代にも見られます。
先日お伝えしたように、5065/1Aは現在500万円以上という水準に到達したわけですが、5065Aは480万円台。ですから、やはり5065でも「ラバーベルトのほうが安い」となっているわけです。
アクアノートは、2000年代前半といった時代から「ラバーベルトのほうが安い」という価格序列だったわけですから、現在の中古相場は「いつもどおりに戻った」ということになります。
ただ、興味深いのは、「ラバーベルトのほうが安い」という状況に戻るまでの時間が短かったという点です。
「ブレスレットのほうが安い」という現象が起こるのは、まさに「トレンドの変化」といえる出来事であるわけですが、そういった現象が起きた場合、その後「それがしばらく続く」ということが珍しくありません。
けれども、今回のアクアノートの場合は、3ヶ月程度で「もとに戻った」わけですから、「なにが起こったのだろう」と不思議に思います。