これまで「デイトナを除くと最も人気」という存在は、GMTマスター2という印象がありましたが、今では「サブマリーナのほうが高い」という様子があります。
サブマリーナのほうが高いという状況を決定づけたのが、2020年9月のモデルチェンジ。この時、サブマリーナはSS、K18などを問わず、一斉に世代交代となりました。
そして、この時登場した現行世代は、「5桁世代への回帰」とも思われる配色ルールが採用されたわけで、生産終了となった旧6桁への注目度が高くなったといえます。
その象徴的存在が、この緑サブ、つまり116610LVですが「文字盤まで緑」という要素がこの世代だけのレア要素となりました。
これまで、116610LVは、GMTマスター2の116710BLNRよりも若干安く、同じ緑サブの旧型である16610LVよりも少し高いという価格帯に位置していましたが、生産終了後は、それらを引き離すように「高い価格帯」に上昇したわけです。
生産終了発覚前の2020年4月水準は、2019年夏からの断続的な値下がりトレンドと、最初の緊急事態宣言によってかなり値下がりしたということもあり、約135万円でした。
それが9月に生産終了が発覚した後は、なんと約229万円という水準にまで上昇したのです。
値下がりトレンド以前において、最も高かったのは、2019年6月の約170万円ですが、それと比べても、2020年9月水準は「約59万円の上昇」ということになります。
しかし、そういった水準は長く続きませんでした。
生産終了発覚時、約229万円という水準に達していた116610LVは、10月になると「200万円を割る」という水準にまで下落。この際、195万円というボトム価格になっていたわけですが、これは9月水準に対して約34万円の値下がりという様子でした。
さらに、その1ヶ月後の2020年11月にも再度116610LVは下落。この時、『195万円⇒約174万円』となったわけですが、これは『1ヶ月で約20万円』の値下がりだったのです。
そして、その後、116610LVは目立った値動きをせず、最近までそういった状況が続いていたわけです。
2020年秋冬頃といえば、目立った下落トレンドがなかったといえるわけですが、なぜだかこの116610LVは値下がりしていたということになります。
生産終了になると、この116610LVの2020年9月水準のように「一気に上昇」ということがあり、その後、落ち着くという傾向があります。
けれども、そのように“落ち着いた”と表現できたのは2020年10月水準までであったといえます。
2020年11月の約174万円という水準は、もはや2019年7月の約170万円に近いわけですから、「生産終了」という要素によって上昇した値上がり分をすべて失ったといっても過言ではないでしょう。
だからこそ、116610LVは2020年11月よりも回復となっても不思議ではないわけですが、ようやく今になってそういったことを達成している様子となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年11月 の安値 |
2021年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
サブマリーナ 116610LV |
中古 | 0年 6ヶ月 |
¥1,748,000 | ¥2,065,000 | 317,000 | 118.14% |
2021年5月11日現在、116610LVのボトム価格は約206万円となっているわけですが、これは2020年11月水準よりも約30万円高く、2020年9月水準よりは約23万円安いという状況であります。
ですから、まさに生産終了発覚時よりも「落ち着いた」と表現できる水準となっているわけで、ようやく“それらしい価格帯”に回復したといえます。