3570.50という存在は、「初心者にもマニアにも好まれる腕時計」という稀有な存在であります。
これは、“すごく高い需要”があるということになるわけですが、その一方で「レア」という要素はありません。
実際、初心者でも手が出しやすいわけですから、入手困難というキャラクターではないわけです。
そうなると、いくら“高い需要”があったとしても、供給量も多いということになるわけで、値動き的には「動きづらい」というハンディがあるといえます。
また、3570.50は96年頃に登場してから、20年近く現行モデルだったわけですから、より一層「供給量が多い」ということになるでしょう。
ですから、この3570.50は、かなりな人気モデルでありながら、中古相場が動きづらい傾向があるわけで、実際値動きするのは2,3年に一度といった感覚だといえます。
例えば、2015年頃には約24万円だったのが、2018年には約30万円。短期だと動かないように見えても、3年という期間で見ると「それなりに高くなった」という印象になるわけです。
そんな3570.50ですが、2018年の次に「値動きした」という感覚になったのが、今年、2021年2月のことであります。
先のように、3570.50は2018年8月に約30万円となっていたわけですが、2021年2月には約33万円に上昇。値動きは「3万円」という規模ですが、3570.50としては大きな変化だといえたわけです。
しかし、そんな「久々の値動き」から、たった3ヶ月後の今、この3570.50に再び大きな変化が起こっている様子があるのです。
それはどういうことかというと、「さらなる上昇」であります。
2月時点で約33万円というボトム価格だった3570.50は、なんと5月現在、約38万円という水準にまで上昇。「3ヶ月で5万円ほどの上昇」となっているわけですが、これは3570.50としては、前代未聞の派手な上昇だといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年2月 の安値 |
2021年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オメガ
スピードマスター プロフェッショナル 3570.50 |
中古 | 0年 3ヶ月 |
¥332,400 | ¥382,800 | 50,400 | 115.16% |
冒頭でもお伝えしたように、3570.50には値動きしづらい側面があるわけですから、今回のような変動は「驚くべきこと」だといえるでしょう。
更に凄いと感じるのは、もはや3570.50は38万円以上でないと入手できないという状況になったという点です。
3570.50は、新品でも30万円台前半といった感覚だったわけで、実際2015年頃にはAmazonで新品が32万円ほどで販売されていました。Primeという表示があったことを覚えていますが、1クリックで翌日配送されるほど入手難易度が低かったといえます。
先のように2015年の中古相場は約24万円ですから、「新品:32万円、中古24万円」という価格帯という感覚だったわけです。
それが今では、3570.50が約38万円いう水準に達しているわけですから、「驚くほど高くなった」といえるかと思います。