ロレックスの世代には、4桁、5桁、6桁がありますが、それとは別に“80年代ヴィンテージ”と分類できる世代があります。
これは、最初に『4桁⇒5桁』という移行をした世代なのですが、その多くが10年未満で生産終了。4桁と5桁の間の僅かな期間に存在した特殊な世代だといえるのです。
そして、それら80年代ヴィンテージに該当するのが、エクスプローラー2の16550やGMTマスター2の16760であります。
興味深いことに、これら80年代ヴィンテージは、2018年において特に“目立った評価”となっていた様子があったのです。
これまでの値動きトレンドを改めてお伝えすると、2019年上半期が最も高く、2019年夏⇒2020年夏までは断続的な下落トレンドが発生。そして、今では再び上昇傾向となり、2019年上半期水準を超えるモデルが多くなっているという流れでした。
しかしながら、80年代ヴィンテージに関しては、他のモデルにとっての「2019年上半期」が「2018年」であるわけです。
実際、今回取り上げるエクスプローラー2の16550黒文字盤の現在水準は、2018年水準よりもだいぶ安価。
この16550黒文字盤は、2018年3月に約81万円だったのが、同年8月になると約132万円にまで上昇しました。
けれども、2019年10月には約92万円にまで下落。この際、39万円ほどの値下がりとなっていました。
この時期といえば、断続的な下落トレンド真っ只中ですが、16550はそこからあまり回復していないのです。
では、現在水準はどういった様子かというと、110万円という水準であります。
2019年10月水準と比べると、約17万円の回復という様子を見せているものの、2018年8月の約132万円よりも、だいぶ安いわけです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年10月 の安値 |
2021年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
エクスプローラー2 黒文字盤 16550 |
中古 | 1年 7ヶ月 |
¥928,000 | ¥1,100,000 | 172,000 | 118.53% |
エクスプローラー2といえば、今年モデルチェンジが行われましたが、その影響からか、旧6桁の216570が上昇。また、5桁世代である16570も上昇している様子があるわけです。
特に16570の白文字盤は、現在80万円台に到達。2020年10月水準が70万円台だったことを考えると、それなりに値上がりしている印象です。
ですから、こういった旧6桁や5桁世代の上昇を考慮すると、なぜこの16550黒文字盤が、2018年8月水準よりも安価といった状況なのか不思議に思います。
とはいっても、実は他の80年代ヴィンテージでも同じような様子が見られるわけで、この16550に限らず、現在、なぜだか80年代ヴィンテージは2018年以上の評価となっていない傾向があるのです。