2015年10月において、約896万円という水準に達していたパテックフィリップのクロノグラフ、5070J-001。
クロノグラフという要素は、多くのブランドで「最も人気」となる傾向がありますが、2015年の5070の様子もまた、その例の1つといった感覚がありました。
2015年当時のパテックフィリップ中古相場といえば、ノーチラス5711/1A-010が200万円台後半だったわけですから、800万円台という水準に達していた5070は「ものすごく高い」という存在だったといえます。
また、アベノミクス以前の時期においても5070は、500万円台といった水準だったため、2015年という時代までにおいて「すごく高いパテックフィリップ」という印象が、筆者個人的にはありました。
しかし、そんな5070J-001は、その後そういった存在感ではなくなっている様子があるのです。
前回この5070J-001をお伝えしたのは2019年10月ですが、その際は848万円という水準でした。これは、2015年10月水準よりも48万円ほど安かったわけです。
5070J-001単体としてみた場合の値動きは「約48万円の下落」でありますが、2015年と2019年とでは、他のパテックフィリップ相場は変わっています。
特に、ノーチラスとアクアノートが目立った上昇となっているわけですから、2019年10月の5070J-001水準は、ノーチラス5711/1A-010にかなり迫られているという状況だったのです。
2019年10月といえば、断続的な下落トレンド真っ只中ですが、そうはいってもノーチラス5711/1A-010は700万円台後半という様子。それに対して、5070J-001は848万円だったわけですから、両者の相場差は70万円程度だったといえます。
2015年の場合だと、5070Jは約890万円台、5711/1Aは290万円台だったわけですから、両者は、実に600万円もの差だったということになります。それが2019年10月には、70万円程度の差になっていたわけですから、衝撃的だったわけです。
さて、今年2021年といえば、そんなノーチラス5711/1Aがさらなる上昇となり、文字盤色問わず1000万円以上に到達するという様子となっています。
そうなると、5070J-001との差がどうなってしまったのか気になるところです。例えば、ノーチラスに負けずに5070Jも派手に上昇したのか、それとも上昇したものの、ノーチラスほどではなく差が開いてしまったのか、答えはどちらなのでしょう。
けれども答えは、そのどちらでも無かったのです。
なんと現在、5070J-001は、2019年10月よりもさらなる値下がりとなっている様子。
現在水準は約775万円となっているのですが、これは2019年10月水準よりも、なんと72万円ほどの下落であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年10月 の安値 |
2021年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
クロノグラフ 5070J-001 |
中古 | 1年 7ヶ月 |
¥8,480,000 | ¥7,752,000 | -728,000 | 91.42% |
ノーチラス5711/1Aが目立った上昇となったのは2017年からのことですが、その時期頃からこの5070J-001はあまり中古売出しが見られなくなったように感じます。
通常、そういった現象が起こると、後に上昇という様子となっても珍しくないのですが、不思議と5070Jは下落。
ですから、5070J-001のこれまでのピーク水準は、2015年ということになるわけです。