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現在相場考察

パシャCとしてはかなりインパクトのある変化、カルティエW31043M7

2021年5月24日更新
カルティエのパシャCW31043M7について斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年9月の安値と2021年5月の安値を比較し現在相場を考察。この0年8ヶ月での変動は¥55,000だった。

パシャC W31043M7についての考察(2021年5月)

アベノミクス以降、長らく15万円前後といった水準が続いていたパシャC

他の腕時計の例であれば、「アベノミクス以降」といった場合「値上がりした」というイメージがあるわけですが、このパシャCについてはそうではありません

パシャCという存在は、リーマンショック前の中古相場では20万円前後といった水準でしたが、リーマン後は10万円台前半といった水準まで下落しています。

ここまでは、他の腕時計と同じような値動きなのですが、アベノミクス以降において「あまり大きな変化」とならなかったのが、ロレックスオメガなどと違う動きだといえるわけです。

しかし、そんなパシャCは、2020年11月頃から目立った変化となっている様子があります。

その際、多くのパシャC10万円台中盤⇒後半という値動きとなっていたのですが、このような変化は“12年ぶり”とすらいえる状況でした。

そして、そういった変化は今でも続いている様子があります。

今回取り上げるのは、黒文字盤のW31043M7。このモデルは、黒文字盤に発光塗料のアラビア数字が特徴的で、90年代後半に登場した後、2000年代中盤頃まで生産されています。

パシャCとしては、かなり長い間、現行モデルとして存在していたわけですが、90年代に登場したということもあって、発光塗料が「トリチウム」の前期と、「ルミノバ」の後期が存在しています。

それら両者は、裏ブタの表記も異なっており、前期が並行に文字が配置されている一方、後期は円に沿うようなかたちで文字が配置されているのです。

近年「トリチウム」といえば、人気要素の1つといった感覚もありますが、このW31043M7に関しては「トリチウムが特に高い」、「特に人気」といった傾向がなく、これまでルミノバと同じような水準だったといえます。

そして、それらの相場は15万円前後といった水準が長らく続いていたわけですが、今回の変動により、なんと、この黒文字盤のW31043M7は、約19万円という水準に達しているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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CARTIER カルティエ パシャC W31043M7 中古 399301

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年9月
の安値
2021年5月
の安値
変動額 残価率
カルティエ
パシャC
W31043M7
中古 0年
8ヶ月
¥140,800 ¥195,800 55,000 139.06%

現在、このW31043M7のボトム価格には、他にも約19万円といった個体がありますが、それらはBランクといった様子。ABランク以上となると、すでにこの個体以外は20万円台という水準に達するわけですから、パシャCとしてはかなりインパクトのある変化」が起こったと感じます。

また、Bランクの個体を持ってしても、その水準はすでに19万円以上といった様子であるため、以前の『15万円前後』と比べると、明らかに高くなっているといえるでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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