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現在相場考察

約59万円という水準、ホイヤーカレラCS3111

2021年5月26日更新
タグホイヤーのカレラCS3111について斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年3月の安値と2021年5月の安値を比較し現在相場を考察。この1年2ヶ月での変動は¥198,000だった。

カレラ CS3111についての考察(2021年5月)

1996年に1964年版の復刻モデルとして限定販売された世代のカレラCS3111

その頃ラインナップされたのが、このCS3111と、CS3110CS3140の3つ。CS3111は黒文字盤、他の2つは銀文字盤で、CS3140のみがYGという構成でした。

銀文字盤が1964年のオリジナルを忠実に再現したと感じる一方、黒文字盤は、どことなく近代的な感覚があるため、90年代当時のアレンジが加えられたように思われるかもしれません。

しかしながら、実は黒文字盤のCS3111こそ1964年版のオリジナルを忠実に再現しており、当時のYGモデルに採用されていた黒文字盤と「ほぼ同じ見た目」といえるのです。

そんな黒文字盤のCS3111は、近頃この世代のカレラの中で最も人気といった傾向があり、2020年3月には40万円台に達していました。

ちなみに、この時代のカレラには、CS3111CS3113という、2つの黒文字盤があるのですが、両者は入れ替わって登場したため、今ではどちらも「数が少ない」という傾向があります。

ただ、2016年頃までの段階では、CS3111は“それなりに見かける”といった印象だったわけで、その相場も10万円台といった水準でした。

この時、筆者は、当時のCS3111の評価に対して「これだけの時計が10万円台」と表現したわけですが、2016年の段階では、この美しい復刻世代のカレラは、後の“非復刻世代”よりも安価な評価となっていたわけです。

ですから、CS3111がその後上昇したのは、筆者としては「当たり前」といった感覚だったわけですが、今となっては、筆者の想像を超えた水準に達している様子があります。

では、どうなっているのかというと、CS3111の現在水準は約59万円にまで達している状況。2020年3月の40万円に対して、20万円近くも高くなっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年3月
の安値
2021年5月
の安値
変動額 残価率
タグホイヤー
カレラ
CS3111
中古 1年
2ヶ月
¥400,000 ¥598,000 198,000 149.50%

この復刻世代のカレラの中で、これまで50万円台といった水準に達していたのは、YGのCS3140ですが、もはやステンレスのCS3111それを上回る水準に達していることに驚きます。

人気モデルの相場といえば、「SSがYG並に上昇」ということがありますが、この復刻世代のカレラでもそれが起こったということに対しては、かねてからこのモデルのファンである筆者としても「驚く」という感想になります。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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