これまで「K18の人気度はSSと比べると弱い」という印象があり、特に2017年頃まではそういった傾向が強くありました。
そのため、そういった時期においては、人気モデルとなると「SSとK18との相場差が50万円以下」という現象が起こっていたわけで、実際、ノーチラスでも、そのような様子が見られました。
特にノーチラスのK18とSSとの差が“縮んでいた”のが、2016年だったのですが、この時3800世代では、3800/1Aが200万円前後といった水準に評価されていた一方で、YGの3800/1Jは250万円前後といった水準だったわけです。
ですから、筆者は2016年6月当時、3800/1Jを「ステンレスとの価格差が超少ない」と表現したわけですが、それから5年近くが経過した今、「ステンレスとYGとの差」はどうなっているのでしょう。
近頃といえば、K18の上昇トレンドが目立っていますが、そうであるならば3800/1Aと3800/1Jとの相場差は「開いている」はずです。
とはいっても、近頃の3800/1A相場は目立った上昇となっているわけで、先日の記事でもお伝えしたように、黒文字盤の3800/1A-001は今年2月の段階で、約487万円という水準に達しています。
また、現在の様子では、青文字盤の3800/1Aが約547万円となっているわけですから、YGとSSの相場差が「広がった」か否かが気になるところです。
というわけで、現在のYG、つまり3800/1Jがどういった水準となっているかを見て、答え合わせをしていきたいと思います。
3800/1Jの現在水準ですが、なんと600万円以上に達している様子。現在ボトム価格は、金文字盤の638万円なのですが、これは2016年6月水準に対して390万円もの上昇であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年6月 の安値 |
2021年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 金文字盤 3800/1J |
中古 | 4年 11ヶ月 |
¥2,480,000 | ¥6,380,000 | 3,900,000 | 257.26% |
なお、2016年6月において筆者が、「SSとの差がない」と指摘した際、参考値としたのも同じく金文字盤でした。
ですから、金文字盤の3800/1Jは、この5年近くの間で390万円もの上昇ということになるわけですから、当時の記事を見て「買った」という方がいたならば、大正解だったということになるでしょう。
さて、3800/1A青文字盤と、3800/1J金文字盤との相場差についてですが、現在約91万円の差という答えになります。
2016年時点で、両者は40万円ほどの差だったわけですが、現在では90万円程度といった様子であるため、一応広がったとはいえる状況です。
とはいえ、現在の「YGの上昇」というトレンドを考慮すると、「思ったほど」ではないともいえるため、まだ「SSよりもすごく強い」といえる様子ではないとも表現できるでしょう。