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現在相場考察

SSとの差は以前よりも一応広がった、ノーチラス3800/1J金文字盤

2021年5月25日更新
パテックフィリップのノーチラスについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年6月の安値と2021年5月の安値を比較し現在相場を考察。この4年11ヶ月での変動は¥3,900,000だった。

ノーチラス 金文字盤 3800/1Jについての考察(2021年5月)

これまで「K18の人気度はSSと比べると弱い」という印象があり、特に2017年頃まではそういった傾向が強くありました。

そのため、そういった時期においては、人気モデルとなると「SSとK18との相場差が50万円以下」という現象が起こっていたわけで、実際、ノーチラスでも、そのような様子が見られました。

特にノーチラスのK18とSSとの差が“縮んでいた”のが、2016年だったのですが、この時3800世代では、3800/1A200万円前後といった水準に評価されていた一方で、YGの3800/1J250万円前後といった水準だったわけです。

ですから、筆者は2016年6月当時、3800/1J「ステンレスとの価格差が超少ない」と表現したわけですが、それから5年近くが経過した今、「ステンレスとYGとの差」はどうなっているのでしょう。

近頃といえば、K18の上昇トレンドが目立っていますが、そうであるならば3800/1A3800/1Jとの相場差は「開いている」はずです。

とはいっても、近頃の3800/1A相場は目立った上昇となっているわけで、先日の記事でもお伝えしたように、黒文字盤の3800/1A-001は今年2月の段階で、約487万円という水準に達しています。

また、現在の様子では、青文字盤の3800/1A約547万円となっているわけですから、YGとSSの相場差が「広がった」か否かが気になるところです。

というわけで、現在のYG、つまり3800/1Jがどういった水準となっているかを見て、答え合わせをしていきたいと思います。

3800/1Jの現在水準ですが、なんと600万円以上に達している様子。現在ボトム価格は、金文字盤の638万円なのですが、これは2016年6月水準に対して390万円もの上昇であるのです。

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年6月
の安値
2021年5月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
ノーチラス
金文字盤
3800/1J
中古 4年
11ヶ月
¥2,480,000 ¥6,380,000 3,900,000 257.26%

なお、2016年6月において筆者が、「SSとの差がない」と指摘した際、参考値としたのも同じく金文字盤でした。

ですから、金文字盤の3800/1Jは、この5年近くの間で390万円もの上昇ということになるわけですから、当時の記事を見て「買った」という方がいたならば、大正解だったということになるでしょう。

さて、3800/1A青文字盤と、3800/1J金文字盤との相場差についてですが、現在約91万円の差という答えになります。

2016年時点で、両者は40万円ほどの差だったわけですが、現在では90万円程度といった様子であるため、一応広がったとはいえる状況です。

とはいえ、現在の「YGの上昇」というトレンドを考慮すると、「思ったほど」ではないともいえるため、まだ「SSよりもすごく強い」といえる様子ではないとも表現できるでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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