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現在相場考察

380万円台になった、エクスプローラー2 1655

2021年5月30日更新
ロレックスのエクスプローラー21655について斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年8月の安値と2021年5月の安値を比較し現在相場を考察。この9ヶ月での変動は139万8600円の値上がりだった。

エクスプローラー2 1655についての考察(2021年5月)

1990年代後半という時代において、“かなり高い価格帯”に位置したエクスプローラー2の1655。

当時といえば、4桁世代のスポーツモデルが“最も偉い”といった感覚があった時代ですが、その中でも「特に高い」印象だったのがこの1655でした。

しかしながら、そんな1655は2010年代になると、相対的に高いという価格帯ではなくなってしまいます。

特に、「90年代後半の相場を考慮すると安い」と感じられたのが、2018年までの様子だったのですが、当時の赤サブ、GMTマスター2の1675などの相場を考慮すると、1655は300万円以上という水準でも不思議ではありませんでした。それが、2018年12月時点では、約210万円だったわけです。

ただ、2019年になると、1655はしっかり上昇。300万円台にまでは達しなかったものの、278万円という水準にまで値上がりしたため、やっと「1655らしい」といえる水準になったといえたのです。

けれども、その後1655は再び下落。2020年8月水準は約245万円に下落していました。

2019年夏⇒2020年夏といえば、断続的な下落トレンドがあったため、この時期値下がりするのは仕方がなかったといえます。

とはいえ、1655は長らくその水準が継続。エクスプローラー2といえば、今年のモデルチェンジの影響によってか、近頃、5桁や旧6桁が上昇するという出来事があったわけですが、この1655は4月の段階で、「ほぼ変わらない」という状態だったのです。

そんな1655なのですが、5月末の今になって、「凄い上昇」となっている様子があるのです。

ではどうなったかというと、現在水準は約385万円というボトム価格に到達。これは、2020年8月水準よりも、約139万円ほどの値上がり状態であるわけです。

また、これまで見た中で最も高かった2019年7月水準と比較しても、107万円ほど高値という価格帯になっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年8月
の安値
2021年5月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
エクスプローラー2
1655
中古 0年
9ヶ月
¥2,458,000 ¥3,856,600 1,398,600 156.90%

かつて筆者は、1655に対して「90年代水準を考慮すると300万円台になっても不思議でない」と指摘しましたが、現在水準はそれを大きく上回る様子に到達。ここまでの水準となることは、筆者としても想定外だったため、かなり驚いています。

とはいえ、2000年前後の1655相場を考慮すると、今の時代において380万円台といった価格帯になることは「不思議ではない」ともいえます。

ただ、驚くのは、先日まで長らく値動きしていなかった1655が、今になって急激に値動きしたということです。

近頃、ノーチラス5711/1Aなど、「急激に動く」という現象を見かけるようになっていますが、もしかしたら今後もこういった値動きがあるかもしれません。

そういった意味では、「実力はあるのに安価」とか「長らく値動きしていない」という存在は、今後も要注意だといえるでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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