1990年代後半という時代において、“かなり高い価格帯”に位置したエクスプローラー2の1655。
当時といえば、4桁世代のスポーツモデルが“最も偉い”といった感覚があった時代ですが、その中でも「特に高い」印象だったのがこの1655でした。
しかしながら、そんな1655は2010年代になると、相対的に高いという価格帯ではなくなってしまいます。
特に、「90年代後半の相場を考慮すると安い」と感じられたのが、2018年までの様子だったのですが、当時の赤サブ、GMTマスター2の1675などの相場を考慮すると、1655は300万円以上という水準でも不思議ではありませんでした。それが、2018年12月時点では、約210万円だったわけです。
ただ、2019年になると、1655はしっかり上昇。300万円台にまでは達しなかったものの、278万円という水準にまで値上がりしたため、やっと「1655らしい」といえる水準になったといえたのです。
けれども、その後1655は再び下落。2020年8月水準は約245万円に下落していました。
2019年夏⇒2020年夏といえば、断続的な下落トレンドがあったため、この時期値下がりするのは仕方がなかったといえます。
とはいえ、1655は長らくその水準が継続。エクスプローラー2といえば、今年のモデルチェンジの影響によってか、近頃、5桁や旧6桁が上昇するという出来事があったわけですが、この1655は4月の段階で、「ほぼ変わらない」という状態だったのです。
そんな1655なのですが、5月末の今になって、「凄い上昇」となっている様子があるのです。
ではどうなったかというと、現在水準は約385万円というボトム価格に到達。これは、2020年8月水準よりも、約139万円ほどの値上がり状態であるわけです。
また、これまで見た中で最も高かった2019年7月水準と比較しても、107万円ほど高値という価格帯になっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年8月 の安値 |
2021年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
エクスプローラー2 1655 |
中古 | 0年 9ヶ月 |
¥2,458,000 | ¥3,856,600 | 1,398,600 | 156.90% |
かつて筆者は、1655に対して「90年代水準を考慮すると300万円台になっても不思議でない」と指摘しましたが、現在水準はそれを大きく上回る様子に到達。ここまでの水準となることは、筆者としても想定外だったため、かなり驚いています。
とはいえ、2000年前後の1655相場を考慮すると、今の時代において380万円台といった価格帯になることは「不思議ではない」ともいえます。
ただ、驚くのは、先日まで長らく値動きしていなかった1655が、今になって急激に値動きしたということです。
近頃、ノーチラス5711/1Aなど、「急激に動く」という現象を見かけるようになっていますが、もしかしたら今後もこういった値動きがあるかもしれません。
そういった意味では、「実力はあるのに安価」とか「長らく値動きしていない」という存在は、今後も要注意だといえるでしょう。