上級ブランドの腕時計といえば、「革ベルトのドレスウォッチ」という印象があるわけですが、実際、ラインナップの大半はそういったモデルが占めるともいえます。
ただ、そういったラインナップの中で、「変わり種」といった感覚で、ひっそりと存在していたのが、これまでのスポーツモデルの立ち位置だったといえます。
しかし今では、そういったスポーツモデルは、ラグジュアリーブランドでも「メイン」となっているわけで、各ブランドがかなりな力を注いでいるカテゴリだといえるでしょう。
それらラグジュアリースポーツには、一定のお約束があるような感覚があり、“いわゆるラグスポ”といったイメージ像をユーザー自身も抱いているかもしれません。
けれども、このブレゲマリーン2は、他のラグジュアリースポーツとは違うアプローチで構成されているといえます。
他のラグジュアリースポーツが、「あえてドレス系とは異なる」といった見た目なのに対し、このマリーン2は、「ドレス系をそのままスポーツモデル化した」といった感覚。これが、他には無いアプローチとして面白いと感じられるわけです。
しかしながら、これまでのところ、このマリーン2に対する注目度はあまり高くなかったといえ、実際、中古相場も長らく変わらないという傾向がありました。
この3針のマリーン2、5817ST/12/5V8は、2018年6月において約102万円という水準だったわけですが、2020年7月時点でも102万円。ですから、2018年⇒2020年という2年間において、ほぼ変わらないという状況だったわけです。
また、2016年5月水準は、約95万円だったのですが、それと比べても「10万円以上の変動」ということがないということになります。
2016年5月といえば、ロレックスやオメガなど様々な腕時計が、現在よりもだいぶ安いという時代ですが、このマリーン2に関しては、これまで10万円に満たない変動といった状況だったわけです。
しかし今、そんなマリーン2の相場が変わりつつある様子があるのです。
この5817ST/12/5V8の現在水準は、なんと約113万円という状況に上昇しているのですが、これは2020年7月水準と比較して、11万円ほどの値上がりです。
2016年以降、この5817ST/12/5V8は10万円以上の変動を見せていなかったわけですから、今回の値動きは、異変が起こったといえるでしょう。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年7月 の安値 |
2021年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ブレゲ
マリーン2 5817ST/12/5V8 |
中古 | 0年 10ヶ月 |
¥1,020,000 | ¥1,130,800 | 110,800 | 110.86% |
なお、この5817ST/12/5V8、現在ボトム価格は約113万円ですが、「2番目に安い個体」はいくらなのかというと、約122万円であるのです。
ですから、やはり5817ST/12/5V8の現在相場は、これまでとは明らかに異なる様子だといえるわけで、興味深い状態だといえます。