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現在相場考察

110万円台になった、マリーン2 5817ST/12/5V8

2021年5月31日更新
ブレゲのマリーン5817ST/12/5V8について斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年7月の安値と2021年5月の安値を比較し現在相場を考察。この10ヶ月での変動は11万800円の値上がりだった。

マリーン2 5817ST/12/5V8についての考察(2021年5月)

上級ブランドの腕時計といえば、「革ベルトのドレスウォッチ」という印象があるわけですが、実際、ラインナップの大半はそういったモデルが占めるともいえます。

ただ、そういったラインナップの中で、「変わり種」といった感覚で、ひっそりと存在していたのが、これまでのスポーツモデルの立ち位置だったといえます。

しかし今では、そういったスポーツモデルは、ラグジュアリーブランドでも「メイン」となっているわけで、各ブランドがかなりな力を注いでいるカテゴリだといえるでしょう。

それらラグジュアリースポーツには、一定のお約束があるような感覚があり、“いわゆるラグスポ”といったイメージ像をユーザー自身も抱いているかもしれません。

けれども、このブレゲマリーン2は、他のラグジュアリースポーツとは違うアプローチで構成されているといえます。

他のラグジュアリースポーツが、「あえてドレス系とは異なる」といった見た目なのに対し、このマリーン2は、「ドレス系をそのままスポーツモデル化した」といった感覚。これが、他には無いアプローチとして面白いと感じられるわけです。

しかしながら、これまでのところ、このマリーン2に対する注目度はあまり高くなかったといえ、実際、中古相場も長らく変わらないという傾向がありました。

この3針のマリーン2、5817ST/12/5V8は、2018年6月において約102万円という水準だったわけですが、2020年7月時点でも102万円。ですから、2018年⇒2020年という2年間において、ほぼ変わらないという状況だったわけです。

また、2016年5月水準は、約95万円だったのですが、それと比べても「10万円以上の変動」ということがないということになります。

2016年5月といえば、ロレックスオメガなど様々な腕時計が、現在よりもだいぶ安いという時代ですが、このマリーン2に関しては、これまで10万円に満たない変動といった状況だったわけです。

しかし今、そんなマリーン2の相場が変わりつつある様子があるのです。

この5817ST/12/5V8の現在水準は、なんと約113万円という状況に上昇しているのですが、これは2020年7月水準と比較して、11万円ほどの値上がりです。

2016年以降、この5817ST/12/5V810万円以上の変動を見せていなかったわけですから、今回の値動きは、異変が起こったといえるでしょう。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年7月
の安値
2021年5月
の安値
変動額 残価率
ブレゲ
マリーン2
5817ST/12/5V8
中古 0年
10ヶ月
¥1,020,000 ¥1,130,800 110,800 110.86%

なお、この5817ST/12/5V8、現在ボトム価格は約113万円ですが、「2番目に安い個体」はいくらなのかというと、約122万円であるのです。

ですから、やはり5817ST/12/5V8の現在相場は、これまでとは明らかに異なる様子だといえるわけで、興味深い状態だといえます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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