2015年8月において、260万円という水準に位置したランゲ1の101.021。
この101.021は、38mmのYGケースという、最もオーソドックスなランゲ1といえる存在であるため、「ランゲ1がどういった様子なのか」ということを知るには、うってつけな存在だといえます。
冒頭でお伝えしたように、2015年8月水準は260万円だったわけですが、当時、他のランゲ1もそういった水準か、それ以上が主といった感覚。ですから、2015年においてランゲ1は、300万円近いといった感覚だったといえます。
2015年といえば、アベノミクスから2年が経過していた時期で、2013年、2014年に続いて、全体的に腕時計相場が高いという印象。ですから、ランゲ1がこういった水準だったのは、当時としては“ロレックスのような値動き”といった感覚だったわけで、さすが人気のランゲ1といったイメージだったといえます。
しかしながら、そんなランゲ1の101.021は、なぜかその後、値下がり傾向に転じます。そして、一時は200万円を割るという状況にまで下落したわけですが、そういった水準は、徐々に「珍しい」といった感覚ではなくなりました。
もちろん、値動きはあったものの、101.021は190万円台か200万円以上といった相場を繰り返すといった感覚だったともいえ、2017年から約4年に渡って、長らく200万円前後という状況が続いていたのです。
それと同時に、他のランゲ1も全体的に2015年水準よりも安価といった感覚がありました。
2017年以降といえば、ノーチラスなどが目立った上昇をしていたわけですが、そういった相場の中、元気がなかったランゲ1は、もはや「人気は過去のもの」となってしまったのかと思われていたかもしれません。
しかし、そんなランゲ1は今、なんと、ものすごい上昇という様子を見せているのです。
前回この101.021をお伝えしたのは、2019年11月なのですが、その時点では約192万円という水準でした。
それが2021年5月の今、なんと101.021は約322万円という水準にまで上昇。
2015年8月水準を5年9ヶ月ぶりに上回ったと同時に、300万円を大きく上回る状況に変化しているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年11月 の安値 |
2021年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ランゲ&ゾーネ
ランゲ1 101.021 |
中古 | 1年 6ヶ月 |
¥1,925,000 | ¥3,223,000 | 1,298,000 | 167.43% |
2015年までのランゲ1の印象としては、パテックフィリップのコンプリケーションと同じか、やや高いといった感覚がありましたが、先のように2017年からは、それらよりも安価といった状況が続いていました。
そして、長らく200万円前後といった状況だったわけですから、「2015年水準を超える」ということは、かなり困難と思われるような状態だったといえます。
それが今、101.021は、電撃的な上昇を果たし、2015年8月水準を回復するどころか、それと比べても約62万円高という水準にまで到達。
ランゲ1になにが起こったのか、具体的なことは分かりませんが、他のランゲ1含め「2015年までにイメージしていたランゲ1らしい相場」に戻ったといえる状況になっているように思います。