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現在相場考察

2015年水準を大きく上回った、ランゲ1 101.021

2021年5月28日更新
ランゲ&ゾーネのランゲ1101.021について斉藤由貴生が執筆。本記事では2019年11月の安値と2021年5月の安値を比較し現在相場を考察。この1年6ヶ月での変動は¥1,298,000だった。

ランゲ1 101.021についての考察(2021年5月)

2015年8月において、260万円という水準に位置したランゲ1101.021

この101.021は、38mmのYGケースという、最もオーソドックスなランゲ1といえる存在であるため、「ランゲ1がどういった様子なのか」ということを知るには、うってつけな存在だといえます。

冒頭でお伝えしたように、2015年8月水準は260万円だったわけですが、当時、他のランゲ1もそういった水準か、それ以上が主といった感覚。ですから、2015年においてランゲ1は、300万円近いといった感覚だったといえます。

2015年といえば、アベノミクスから2年が経過していた時期で、2013年、2014年に続いて、全体的に腕時計相場が高いという印象。ですから、ランゲ1がこういった水準だったのは、当時としては“ロレックスのような値動き”といった感覚だったわけで、さすが人気のランゲ1といったイメージだったといえます。

しかしながら、そんなランゲ1101.021は、なぜかその後、値下がり傾向に転じます。そして、一時は200万円を割るという状況にまで下落したわけですが、そういった水準は、徐々に「珍しい」といった感覚ではなくなりました。

もちろん、値動きはあったものの、101.021190万円台か200万円以上といった相場を繰り返すといった感覚だったともいえ、2017年から約4年に渡って、長らく200万円前後という状況が続いていたのです。

それと同時に、他のランゲ1も全体的に2015年水準よりも安価といった感覚がありました。

2017年以降といえば、ノーチラスなどが目立った上昇をしていたわけですが、そういった相場の中、元気がなかったランゲ1は、もはや「人気は過去のもの」となってしまったのかと思われていたかもしれません。

しかし、そんなランゲ1は今、なんと、ものすごい上昇という様子を見せているのです。

前回この101.021をお伝えしたのは、2019年11月なのですが、その時点では約192万円という水準でした。

それが2021年5月の今、なんと101.021約322万円という水準にまで上昇。

2015年8月水準を5年9ヶ月ぶりに上回ったと同時に、300万円を大きく上回る状況に変化しているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2019年11月
の安値
2021年5月
の安値
変動額 残価率
ランゲ&ゾーネ
ランゲ1
101.021
中古 1年
6ヶ月
¥1,925,000 ¥3,223,000 1,298,000 167.43%

2015年までのランゲ1の印象としては、パテックフィリップコンプリケーションと同じか、やや高いといった感覚がありましたが、先のように2017年からは、それらよりも安価といった状況が続いていました。

そして、長らく200万円前後といった状況だったわけですから、「2015年水準を超える」ということは、かなり困難と思われるような状態だったといえます。

それが今、101.021は、電撃的な上昇を果たし、2015年8月水準を回復するどころか、それと比べても約62万円高という水準にまで到達。

ランゲ1になにが起こったのか、具体的なことは分かりませんが、他のランゲ1含め「2015年までにイメージしていたランゲ1らしい相場」に戻ったといえる状況になっているように思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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