90年代後半、2000年代前半といった時代に現行だった5085/1Aは、末尾の「A」の通り、ステンレスのパテックフィリップであります。
「SSのパテック」という存在は、ノーチラスやアクアノート以外では、稀であるのですが、それにコンプリケーションが備わっているというのは、なお「レア」ということになるでしょう。
ただ、この5085/1Aに対して、そういったレアキャラクターなイメージは、これまで持たれていなかったといえ、中古相場を見ても「大きく変わらない」という傾向がありました。
一応、2016年⇒2018年という期間では値上がりしていたものの、2018年以降は「ほぼ変わらない」という状況が続いていたのです。
この5085/1Aは、2016年6月時点で178万円という水準でしたが、2018年1月には205万円になっています。けれども、その後は大きな変化がなく、前回お伝えした2020年3月時点でも約204万円という水準だったわけです。
しかし今、そんな5085/1Aに異変が起こっている様子があるのです。
現在、この5085/1A-001は、約267万円という状況になっているのですが、これは2020年3月水準よりも約62万円高。その結果、以前よりも「かなり高くなった」と感じられる価格帯になったと感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年3月 の安値 |
2021年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
コンプリケーション 5085/1A-001 |
中古 | 1年 3ヶ月 |
¥2,046,000 | ¥2,672,900 | 626,900 | 130.64% |
なお、この5085/1Aには、兄弟的なモデルとして、5055や5054といった存在がありますが、それらと比べて、今回の5085/1A水準には「史上最高値レベル」という“違い”があります。
特に5055と比べるとわかりやすいのですが、5055は2015年頃の段階で250万円前後といった水準だったのが、2018年頃には200万円程に下落。その頃から、この5085/1Aと同じような水準となっていました。
そのような経緯がある5055も、近頃は260万円近辺といった相場になっているわけですが、この5085/1Aについては、何が違うかというと、過去にそういった水準“ではなかった”という点です。
先のように、5055は2015年頃において250万円前後といった水準でしたが、それと同じ時期、この5085/1Aは170万円程度といったところでした。
ですから、5085/1Aにとっての260万円台は「初」だといえるわけで、200万円前後という水準だった過去相場と比べると、「かなり高くなった」と感じられるわけです。