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現在相場考察

白文字盤が100万円を超えている、ミルガウス116400

2021年6月5日更新
ロレックスのミルガウス116400について斉藤由貴生が執筆。本記事では2021年4月の安値と2021年6月の安値を比較し現在相場を考察。この2ヶ月での変動は25万8660円の値上がりだった。

ミルガウス 白文字盤 116400についての考察(2021年6月)

以前の記事でも指摘したように、2020年3月頃から、「ミルガウス内における価格序列が変化する」という傾向があり、時期によって「116400GV(黒)よりも116400白文字盤のほうが高い」となっている場合があります。

116400白文字盤といえば、2019年までは「最も安価なミルガウスという存在だったわけですが、それが116400GV(黒)よりも高値になるというのは驚くべき出来事でした。

しかしながら、そんな白文字盤は今年2月時点で、再び最も安価なミルガウスという位置になってしまいます。

その際、白文字盤は70万円台だったのですが、同じ116400の黒文字盤は80万円台に達していたわけです。

116400といえば、近年では「高くないほうの6桁スポーツ」という印象があり、実際2016年の段階では白文字盤は40万円台で購入可能でした。

ちなみに、筆者もその時期116400(黒)を購入しましたが、50万円台で買っています。

この時、ミルガウスの購入を日刊SPA!の連載でお伝えしたのですが、「あえて人気がないモデルを買う」という行動をしたほうが面白いと思ったのです。

そして、その後「値上がりしてどんでん返しを狙う」ということを考えていたわけですが、116400は不人気モデルだけあって、2017年以降あまり目立った値動きをしませんでした。

とはいえ、1年単位で見ると「じわじわ」とは動いていたわけで、先のように今年2月に、黒文字盤は80万円台に到達。2017年春は50万円台だったわけですから、4年単位で見ると『50万円台⇒80万円台』という変化をしているのです。

ですから、6桁ミルガウスは、これまで値動きしていなかったわけではありません。ただ、「数ヶ月で数十万円」というような動き方はしたことが無かったといえます。

しかし今、そんなミルガウス116400にこれまでとは違う“値動き”が起きている様子があります。

それこそが、「白文字盤が高くなった」ということであるのですが、どうなっているのかというと、なんと現在水準が100万円を超えているのです。

現在、116400白文字盤のボトム価格は、約112万円という状況になっているのですが、これは今年4月の約86万円に対して、約25万円の上昇という値動きであります。

ですから今、ミルガウス116400白文字盤には、

  • 110万円台になった
  • 2ヶ月で約25万円の上昇
  • という2つの出来事が起きているということになります。

    こういったことは、2007年のデビュー時以来無かったといえるため、かなりな大ニュースだといえるかと思います。

    本記事で参考とした中古腕時計

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    本記事の価格比較

    腕時計 状態 期間 2021年4月
    の安値
    2021年6月
    の安値
    変動額 残価率
    ロレックス
    ミルガウス
    白文字盤
    116400
    中古 0年
    2ヶ月
    ¥863,940 ¥1,122,600 258,660 129.94%

    近頃、エアキング116900が上昇するなど、この世代のノンデイト3針モデルが目立った上昇をしている様子がありますが、今回の白文字盤もそういった動きに似ていると思います。

    これらの値動きは、エクスプローラーのモデルチェンジが発端といった感覚があるわけですが、なぜだか現在「生産終了」というニュース性がない、エアキングミルガウスも同じように値上がりしているのです。

    なお、116400は黒文字盤が2015年頃、白文字盤が2017年頃にすでに生産終了となっているため、現在の値動きには「生産終了」という要素はあまり関係ないといえます。

    ただ、白文字盤は2020年3月頃から不思議と、目立った評価となっている傾向があるため、あるタイミングからなぜだか、注目される存在感になったのではないかと考えられます。

    そして、今では110万円台にまで到達しているわけですが、これはセラミックベゼルの6桁スポーツにかなり近い水準です。

    これまで、ミルガウスはセラミックベゼルと比べると「かなり安い」といった感覚だったのが、今では、セラミックベゼルに迫る勢いとなっているのが凄いと思います。

    筆者としては、この116400が上昇したときの想定としては、「サブマリーナやGMTマスター2よりもずいぶん高値」ということだったのですが、今のように価格序列はほぼそのままで、しっかり相場が高くなるというのは、想定外でした。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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