以前の記事でも指摘したように、2020年3月頃から、「ミルガウス内における価格序列が変化する」という傾向があり、時期によって「116400GV(黒)よりも116400白文字盤のほうが高い」となっている場合があります。
116400白文字盤といえば、2019年までは「最も安価なミルガウス」という存在だったわけですが、それが116400GV(黒)よりも高値になるというのは驚くべき出来事でした。
しかしながら、そんな白文字盤は今年2月時点で、再び最も安価なミルガウスという位置になってしまいます。
その際、白文字盤は70万円台だったのですが、同じ116400の黒文字盤は80万円台に達していたわけです。
116400といえば、近年では「高くないほうの6桁スポーツ」という印象があり、実際2016年の段階では白文字盤は40万円台で購入可能でした。
ちなみに、筆者もその時期116400(黒)を購入しましたが、50万円台で買っています。
この時、ミルガウスの購入を日刊SPA!の連載でお伝えしたのですが、「あえて人気がないモデルを買う」という行動をしたほうが面白いと思ったのです。
そして、その後「値上がりしてどんでん返しを狙う」ということを考えていたわけですが、116400は不人気モデルだけあって、2017年以降あまり目立った値動きをしませんでした。
とはいえ、1年単位で見ると「じわじわ」とは動いていたわけで、先のように今年2月に、黒文字盤は80万円台に到達。2017年春は50万円台だったわけですから、4年単位で見ると『50万円台⇒80万円台』という変化をしているのです。
ですから、6桁ミルガウスは、これまで値動きしていなかったわけではありません。ただ、「数ヶ月で数十万円」というような動き方はしたことが無かったといえます。
しかし今、そんなミルガウス116400にこれまでとは違う“値動き”が起きている様子があります。
それこそが、「白文字盤が高くなった」ということであるのですが、どうなっているのかというと、なんと現在水準が100万円を超えているのです。
現在、116400白文字盤のボトム価格は、約112万円という状況になっているのですが、これは今年4月の約86万円に対して、約25万円の上昇という値動きであります。
という2つの出来事が起きているということになります。
こういったことは、2007年のデビュー時以来無かったといえるため、かなりな大ニュースだといえるかと思います。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年4月 の安値 |
2021年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
ミルガウス 白文字盤 116400 |
中古 | 0年 2ヶ月 |
¥863,940 | ¥1,122,600 | 258,660 | 129.94% |
近頃、エアキングの116900が上昇するなど、この世代のノンデイト3針モデルが目立った上昇をしている様子がありますが、今回の白文字盤もそういった動きに似ていると思います。
これらの値動きは、エクスプローラーのモデルチェンジが発端といった感覚があるわけですが、なぜだか現在「生産終了」というニュース性がない、エアキングやミルガウスも同じように値上がりしているのです。
なお、116400は黒文字盤が2015年頃、白文字盤が2017年頃にすでに生産終了となっているため、現在の値動きには「生産終了」という要素はあまり関係ないといえます。
ただ、白文字盤は2020年3月頃から不思議と、目立った評価となっている傾向があるため、あるタイミングからなぜだか、注目される存在感になったのではないかと考えられます。
そして、今では110万円台にまで到達しているわけですが、これはセラミックベゼルの6桁スポーツにかなり近い水準です。
これまで、ミルガウスはセラミックベゼルと比べると「かなり安い」といった感覚だったのが、今では、セラミックベゼルに迫る勢いとなっているのが凄いと思います。
筆者としては、この116400が上昇したときの想定としては、「サブマリーナやGMTマスター2よりもずいぶん高値」ということだったのですが、今のように価格序列はほぼそのままで、しっかり相場が高くなるというのは、想定外でした。