ブルガリアルミニウムの中古相場は、2015年頃から長らく5万円前後といった感覚があったのですが、近頃高くなっている様子があります。
ただ、アルミニウムの場合、程度の悪い個体が多い傾向があるので、「今の相場はどれぐらいなのか」ということが、他の腕時計よりも認識しづらいでしょう。
高級腕時計の場合、丁寧に扱えば構造的に程度が悪くなりづらいわけですが、アルミニウムは別。ラバーベルトは、ひび割れしやすく、アルミケースは黒ずみやすいのです。
ですから、中古相場にはABランク以下の個体が多く、ボトム価格を見ただけでは「今の相場」が分かりづらいといえます。
そんなアルミニウムですが、現在水準をざっというならば、7万円前後(ABランク以上)になっているように感じられます。
また、Cランクといった個体のボトム価格を見ても、かつては3万円台だったのが今では5万円台。やはり、以前よりも全体的に高くなったといえるでしょう。
アルミニウムが高くなったのは、おそらく“昨年の復活”という出来事が影響を与えていると思います。
パシャもアルミニウムと同様、2020年に復活したのですが、同じく中古相場が上昇。やはり、現行モデルが復活するということは、中古相場にも影響を与えるのでしょう。
さて、今回取り上げるのは、そんなアルミニウムの中でも、AL38Aの「特に程度が良い」という個体です。
前回、この「特に程度が良い」という個体を紹介したのは、2017年9月だったのですが、その際は約8.9万円で購入可能でした。
その頃、AL38AはABランクが5万円台程度といった感覚だったため、8.9万円はそれらと比べて「高い」といった印象でした。
それが、今では「特に程度が良い」アルミニウムは約12万円という水準。しっかりと高くなっているわけです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年9月 の安値 |
2021年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ブルガリ
アルミニウム AL38A |
中古 | 3年 9ヶ月 |
¥89,800 | ¥120,750 | 30,950 | 134.47% |
ブルガリアルミニウムは、1998年に登場したのですが、このAL38Aは、その際登場した、アルミニウムのオリジナルモデルであります。
AL38Aは2000年頃、AL38TAに型番が変わったのですが、その際の変更点としては、裏蓋からビスがなくなったという内容。見た目の差はほぼありません。
そして、2002年頃に針と文字盤に発光塗料がつくという変更が加えられ、この際、初めて見た目が変わったといえます。ただ、型番的にはAL38TAのままです。
その後、AL38TAには黒文字盤が加えられたり、38mmよりも大きなメンズサイズ、44mmモデルが追加されるなど、アルミニウムの見た目は、1998年のオリジナルと離れていくわけですが、2020年に復活したモデルでは、再び元に戻ったような印象があります。
とはいえ、現行は2002年モデルに近い見た目となっているため、完全オリジナルという意味では、AL38Aは貴重な存在だと思います。
そして、程度が良いAL38Aは少ないため、このように「特に程度が良い」という個体は、注目すべき1本だといえるでしょう。