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現在相場考察

高くなっている、アルミニウムAL38A

2021年6月3日更新
ブルガリのアルミニウムAL38Aについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年9月の安値と2021年6月の安値を比較し現在相場を考察。この3年9ヶ月での変動は¥30,950だった。

アルミニウム AL38Aについての考察(2021年6月)

ブルガリアルミニウムの中古相場は、2015年頃から長らく5万円前後といった感覚があったのですが、近頃高くなっている様子があります。

ただ、アルミニウムの場合、程度の悪い個体が多い傾向があるので、「今の相場はどれぐらいなのか」ということが、他の腕時計よりも認識しづらいでしょう。

高級腕時計の場合、丁寧に扱えば構造的に程度が悪くなりづらいわけですが、アルミニウムは別。ラバーベルトは、ひび割れしやすく、アルミケースは黒ずみやすいのです。

ですから、中古相場にはABランク以下の個体が多く、ボトム価格を見ただけでは「今の相場」が分かりづらいといえます。

そんなアルミニウムですが、現在水準をざっというならば、7万円前後(ABランク以上)になっているように感じられます。

また、Cランクといった個体のボトム価格を見ても、かつては3万円台だったのが今では5万円台。やはり、以前よりも全体的に高くなったといえるでしょう。

アルミニウムが高くなったのは、おそらく“昨年の復活”という出来事が影響を与えていると思います。

パシャアルミニウムと同様、2020年に復活したのですが、同じく中古相場が上昇。やはり、現行モデルが復活するということは、中古相場にも影響を与えるのでしょう。

さて、今回取り上げるのは、そんなアルミニウムの中でも、AL38A「特に程度が良い」という個体です。

前回、この「特に程度が良い」という個体を紹介したのは、2017年9月だったのですが、その際は約8.9万円で購入可能でした。

その頃、AL38AはABランクが5万円台程度といった感覚だったため、8.9万円はそれらと比べて「高い」といった印象でした。

それが、今では「特に程度が良い」アルミニウムは約12万円という水準。しっかりと高くなっているわけです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年9月
の安値
2021年6月
の安値
変動額 残価率
ブルガリ
アルミニウム
AL38A
中古 3年
9ヶ月
¥89,800 ¥120,750 30,950 134.47%

ブルガリアルミニウムは、1998年に登場したのですが、このAL38Aは、その際登場した、アルミニウムのオリジナルモデルであります。

AL38Aは2000年頃、AL38TAに型番が変わったのですが、その際の変更点としては、裏蓋からビスがなくなったという内容。見た目の差はほぼありません。

そして、2002年頃に針と文字盤に発光塗料がつくという変更が加えられ、この際、初めて見た目が変わったといえます。ただ、型番的にはAL38TAのままです。

その後、AL38TAには黒文字盤が加えられたり、38mmよりも大きなメンズサイズ、44mmモデルが追加されるなど、アルミニウムの見た目は、1998年のオリジナルと離れていくわけですが、2020年に復活したモデルでは、再び元に戻ったような印象があります。

とはいえ、現行は2002年モデルに近い見た目となっているため、完全オリジナルという意味では、AL38Aは貴重な存在だと思います。

そして、程度が良いAL38Aは少ないため、このように「特に程度が良い」という個体は、注目すべき1本だといえるでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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