ラジオミールが「最高級シリーズ」といった役割だった時代に、数少ない“非限定モデル”というラインナップだったPAM00062。この時代のラジオミールは、限定モデルのほうが多数派だといえ、非限定のほうが少なかったといえます。
この62番は2002年に登場したWGモデルですが、翌年2001年にはRGの103番が登場。どちらも製造されていたのは2001年でありますが、これら2本は、この時代のK18パネライのメインモデルという感覚があります。
そんな両者ですが、2010年代中盤頃からは、WGのほうが「中古売出しを見かけない」という様子を見せ、特に2016年頃にはそういった印象が強かったと感じました。
この62番は、2016年2月に約129万円という水準に達していたのですが、このときの印象としては、「高くなった」という感覚でした。
62番や103番は、2000年代前半といった時代、60万円前後といった感覚だったのが、2000年代後半になると80万円台に到達。それが2010年代中盤には120万円台に達していたわけですから、やはり「以前と比べて高い」ということになります。
しかし、その後この62番は、「価格帯が変化する」ということが無い様子が続いているといえます。
2016年2月水準が約129万円だったのに対し、2017年7月は約124万円。そして、2019年4月水準は118万円、2020年4月が約122万円であるのです。
ですから、2016年2月から2020年4月までの値動きは、いずれも10万円に満たない様子といったことになります。
また、2016年2月水準と2020年4月水準を単純に比較しても、その差は7万円程度となるわけで、やはり「長期間相場が変わっていない」といえるでしょう。
さて、そんなPAM00062ですが、2020年4月から1年以上が経過した今、どういった様子になっているか、というと、その答えは「以前と同じ」であります。
現在、この62番は約121万円というボトム価格。2020年4月水準と「ほぼ同じ」水準なのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年4月 の安値 |
2021年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オフィチーネパネライ
ラジオミール PAM00062 |
中古 | 1年 2ヶ月 |
¥1,225,550 | ¥1,211,700 | -13,850 | 98.87% |
近頃、パネライの値動きがあまり元気がないといった感覚がありますが、そうはいってもこのWGラジオミールのようなモデルの場合、「2016年水準と同じ」という事例はあまり多くないと感じます。
このWGラジオミールやエルプリ搭載のルミノールクロノなど、2000年前後といった時代に現行モデルだった“高級なパネライ”は、いわゆる“尖った要素のあるパネライ”だといえます。
そういったパネライの多くは、2016年水準と比べた場合「高くなっている」という傾向があるわけです。
実際、ルミノールクロノの52番は、2016年水準では60万円台でしたが2019年には100万円以上。また、ラジオミールでも、141番は2017年5月に約69万円だったのが、2020年8月には約79万円となっています。
それに対して、この62番は、2016年⇒2021年現在までの変動が「ほぼ無い」といっても過言ではない様子だといえます。
そういった意味では、62番は、尖った要素を持つ存在でありながら、「2016年水準とほぼ変わらない」わけですから、「相場が高いから買いたくない」と感じている方には、検討する価値がある1本だといえるかと思います。