2004年にデイトナ初のWGブレスレットモデルとして登場した116509。デビュー当初は、デイトナのフラッグシップといった存在感で、今の感覚でいうならば116506に近いキャラクターだったといえます。
しかしながら、近年における116509の中古相場は、そういったデビュー時の印象からすると「かなり安い」といったところでした。
この116509が、K18デイトナの中で相対的に安いポジションとなってしまったのは、どうやら116506が登場した後といった模様です。
実際、2010年において、この116509黒文字盤は「相対的に高いデイトナ」というポジション。当時といえば、リーマンショック後の“中古相場が全体的に安い”時期でありますが、そんな中、116509は218万円という水準だったのです。
その頃、同じK18でもYGの116528は130万円程度。ちなみに、ノーチラス3800/1Jも130万円台で購入可能でした。
ですから、2010年という時代において116509は、YGに対して88万円程度も高かったわけです。
けれども、2017年になると、その相場差は、6万円にまで減少。そして、その後はWGよりもYG(116528)のほうが高いという様子となっていったのです。
つまり、この116509という存在は、少なくともこの4年ぐらいの間において「K18デイトナとしては安いほうのモデル」という傾向だったといえます。
また、2016年12月年以降、16520といったSSデイトナが上昇したわけですが、その一方でこの116509はそこまでの伸びとはならなかったため、一時は「SSとWGの相場差が20万円程度」ということもあったわけです。
いくら16520が人気モデルとはいえ、SSとWGとの差が20万円程度というのは「驚き」という感想になります。
しかし、そんな116509は2020年夏頃から、そういった「お得なデイトナ」というポジションに終止符を打つことになります。
この時期といえば、K18腕時計の上昇というトレンドがありますが、116509もその例の通り、2020年7月頃からどんどん上昇。2020年4月に260万円だったのが、同年10月には約353万円となっています。
そして、2021年5月には418万円にまで到達。ついに400万円以上という水準になったわけです。
さて、そんな116509ですが、「400万円以上」となったことに驚いた5月から、たったの1ヶ月後の今、再び目立った上昇となっている様子です。
現在、この116509黒文字盤のボトム価格は、なんと約481万円となっているのですが、これは4月水準に対して、約63万円もの上昇であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年5月 の安値 |
2021年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ 黒文字盤 116509 |
中古 | 0年 1ヶ月 |
¥4,180,000 | ¥4,818,000 | 638,000 | 115.26% |
この116509黒文字盤は、冒頭でお伝えしたとおり、2010年代中盤から2020年夏前といった時期まで、「以前の印象からすると、相対的には高くない」という感覚があったわけですが、今や「高いモデル」といった要素を感じられる様子となっているのです。
特に、2020年4月の最初の緊急事態宣言の際は、260万円にまで下落したため、それと比較すると、現在水準は221万円もの値上がりということになります。
つまり、「2020年4月⇒2021年6月の1年2ヶ月という期間での変動額が、約221万円の上昇」ということになるわけですから、この116509は、この1年近くの間において、「凄い値動きをするモデル」に変貌を遂げたといえるでしょう。