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現在相場考察

120万円台になった、シードゥエラーディープシー黒文字盤116660

2021年6月11日更新
ロレックスのシードゥエラー116660について斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年3月の安値と2021年6月の安値を比較し現在相場を考察。この1年3ヶ月での変動は12万8200円の値上がりだった。

シードゥエラー ディープシー 黒文字盤 116660についての考察(2021年6月)

シードゥエラーの“さらに凄いバージョン”として、2008年に登場したディープシー。とはいうものの、6桁世代において「通常のシードゥエラー」は2014年に116600が登場するまで不在でした。

ただ、それまでのシードゥエラーとは明らかに異なるディープシーは、デビュー以降「相対的に高いSSスポーツ」というポジションに違いはなく、そのイメージ通りの価格帯だったといえます。

このディープシーが登場したのは、先のように2008年のことでありますが、この時期といえば、パネライが多くの腕時計に影響を与えていました。

パネライといえば「デカ厚」というキーワードが有名ですが、まさにこのディープシーもそれと同様。また、ケースサイズが44mmというところも、パネライの主力モデルと同じであります。

パネライがブームとなっていた時期において、このディープシーのようなモデルは、他ブランドでも存在。例えば、ブルガリスクーバのSD42SDがそれに該当します。

このスクーバSD42Dも、ディープシー同様、通常版よりも「大きく分厚く、防水性能が高い」という内容になっています。

このディープシーのように、より性能を際立たせた“スペシャルなモデル”は2000年代において、「旬」だったといえるでしょう。

さて、最近といえば、パネライ相場があまり元気がない様子といった感覚がありますが、このディープシーについても、ここ数年「大きな変動がない」といった感覚がありました。

ディープシーといっても、黒文字盤とDブルー文字盤、116660と126660がありますが、特に116660の黒文字盤は、2018年3月から長らく100万円前後という水準が続いていました。

そんな116660黒文字盤は、2020年3月になると110万円台という水準に上昇。この時点で、2年ぶりに目立った上昇という様子を見せたのです。

ただ、その後116660黒文字盤はそこまで目立った変化がなく、約1年に渡って110万円台という水準が継続。最近といえば、エクスプローラー2白文字盤など、これまで100万円以下といった水準が主だったモデルが、110万円台になってきている様子もあるため、116660黒文字盤は、価格序列という観点では「以前よりも安い」印象となっているわけです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年3月
の安値
2021年6月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
シードゥエラー
ディープシー
黒文字盤
116660
中古 1年
3ヶ月
¥1,119,800 ¥1,248,000 128,200 111.45%

そんな、116660黒文字盤ですが、2020年3月から1年3ヶ月が経過した今、ようやく値動きしている様子となっています。

現在水準は約124万円であるため、今回の値動きにより『110万円台⇒120万円台』という価格ステージの変化が起きたことになります。

なお、この120万円台という水準は、これまで確認できた116660黒文字盤水準としては過去最高値であります。

ですから、116660黒文字盤は現在、過去最高値更新といえる状況なのですが、他のスポーツモデルと比べてしまうと、変動額が弱くも見えてしまうため、優秀という要素を持ちながらも、それほど高くないように感じてしまうかと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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