シードゥエラーの“さらに凄いバージョン”として、2008年に登場したディープシー。とはいうものの、6桁世代において「通常のシードゥエラー」は2014年に116600が登場するまで不在でした。
ただ、それまでのシードゥエラーとは明らかに異なるディープシーは、デビュー以降「相対的に高いSSスポーツ」というポジションに違いはなく、そのイメージ通りの価格帯だったといえます。
このディープシーが登場したのは、先のように2008年のことでありますが、この時期といえば、パネライが多くの腕時計に影響を与えていました。
パネライといえば「デカ厚」というキーワードが有名ですが、まさにこのディープシーもそれと同様。また、ケースサイズが44mmというところも、パネライの主力モデルと同じであります。
パネライがブームとなっていた時期において、このディープシーのようなモデルは、他ブランドでも存在。例えば、ブルガリスクーバのSD42SDがそれに該当します。
このスクーバSD42Dも、ディープシー同様、通常版よりも「大きく分厚く、防水性能が高い」という内容になっています。
このディープシーのように、より性能を際立たせた“スペシャルなモデル”は2000年代において、「旬」だったといえるでしょう。
さて、最近といえば、パネライ相場があまり元気がない様子といった感覚がありますが、このディープシーについても、ここ数年「大きな変動がない」といった感覚がありました。
ディープシーといっても、黒文字盤とDブルー文字盤、116660と126660がありますが、特に116660の黒文字盤は、2018年3月から長らく100万円前後という水準が続いていました。
そんな116660黒文字盤は、2020年3月になると110万円台という水準に上昇。この時点で、2年ぶりに目立った上昇という様子を見せたのです。
ただ、その後116660黒文字盤はそこまで目立った変化がなく、約1年に渡って110万円台という水準が継続。最近といえば、エクスプローラー2白文字盤など、これまで100万円以下といった水準が主だったモデルが、110万円台になってきている様子もあるため、116660黒文字盤は、価格序列という観点では「以前よりも安い」印象となっているわけです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年3月 の安値 |
2021年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
シードゥエラー ディープシー 黒文字盤 116660 |
中古 | 1年 3ヶ月 |
¥1,119,800 | ¥1,248,000 | 128,200 | 111.45% |
そんな、116660黒文字盤ですが、2020年3月から1年3ヶ月が経過した今、ようやく値動きしている様子となっています。
現在水準は約124万円であるため、今回の値動きにより『110万円台⇒120万円台』という価格ステージの変化が起きたことになります。
なお、この120万円台という水準は、これまで確認できた116660黒文字盤水準としては過去最高値であります。
ですから、116660黒文字盤は現在、過去最高値更新といえる状況なのですが、他のスポーツモデルと比べてしまうと、変動額が弱くも見えてしまうため、優秀という要素を持ちながらも、それほど高くないように感じてしまうかと思います。