本来、コンビの腕時計は“ステンレスよりも高級”という役割を担っており、実際、定価はもちろん「コンビのほうが高い」であるわけです。
しかし、デイトナに関しては、もう20年以上も前から「ステンレスのほうが高い」という相場が当たり前。もちろん、これは定価ではありませんが、実際に“購入可能な価格”という観点で、コンビよりもステンレスのほうが高いのです。
そして、コンビのデイトナは、中古相場の値動きにおいても、ここ5年ぐらい「ステンレスと比べるとかなり地味」という傾向があります。
特に2016年12月から16520を中心に、ステンレスがそれまで以上に目立った値動きとなって以降、コンビとステンレスの“差”は離れる一方でした。
ちなみに、2016年頃までの中古相場では、実は“コンビとステンレスの差”は、今ほど激しくありません。例えば、2016年において、116520黒文字盤が110万円程度だったならば、116523もそれと同等といった傾向だったわけです。
けれども、2017年以降、116520はより目立った上昇へと変化。特に、2021年になってからは、116520がそれまで以上に目立った値上がりとなった結果、116520と116523の差は“さらに開いた”という状態になりました。
ですから、このまま116523が“これまでのような値動き”となっていたならば、その差は「ものすごく開く」ということになったはずです。
しかし、今の116523の様子を見ると、そういったことは起こらなかったといえます。
なぜなら、116523は現在目立った上昇となっている様子だからです。
116523全体での現在ボトム価格は、グレー文字盤の191万円。そして、白文字盤を例にすると、なんと200万円以上になっている状況であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年6月 の安値 |
2021年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ 白文字盤 116523 |
中古 | 2年 0ヶ月 |
¥1,490,400 | ¥2,050,000 | 559,600 | 137.55% |
前回、この116523白文字盤の状況をお伝えしたのは、ちょうど2年前の2019年6月でありますが、その際は、約149万円という水準でした。
それが最近、この116523白文字盤は、それなりに目立った上昇をした結果、なんと205万円という水準に到達。
実は、先日まで、この白文字盤は180万円台という状況だったのですが、ここのところ様子が大きく変わったと感じます。
ですから今、116523には「勢い」を感じるわけで、コンビもステンレスに負けじと値動きしている様子だといえます。
ちなみに、現時点における116523と116520の相場差は約52万円。116520のボトム価格が黒文字盤の約243万円、116523のボトム価格はグレー文字盤の約191万円です。
4月時点では、両者の相場差は60万円程度だったため、やや相場差が縮まったといえるかと思いますが、どちらかというと今回の値動きは、「急激に上昇した116520に116523がついていった」といったほうがしっくり来るように思います。