2021年になってから、ノーチラスの3針ジャンボサイズの相場は「1000万円以上」という水準が当たり前となっているように感じられます。
とはいっても、3針(2針含む)ジャンボは数えるぐらいしかありません。
ステンレスを例とすると古い順に、
の3つが基本といえるでしょう。
上記3つの中で、初代の3700については、5711よりもそれなりに前の段階から1000万円以上となっているかといえます。
そして、5711/1Aについては、今年2021年から青文字盤、白文字盤ともに1000万円以上に到達。3針ノーチラスの相場が1000万円以上というイメージを決定づけたように感じます。
さて、そうなると残るは3710/1Aがどうかというところになるでしょう。
この3710/1Aは、90年代後半に登場したジャンボサイズで、特殊なパワーリザーブインジケーターが搭載された「異色なモデル」であります。
そのため、一時は5711/1A-010よりも高い水準となっていたわけですが、ここ数年はそういった様子が見られない場合もあります。
ですから、この3710/1Aに関しては、1000万円以上となっているかどうかが気になるところだといえるのですが、現在の様子を見ると、3710/1Aもしっかり1000万円以上になっている状況です。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年6月 の安値 |
2021年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 3710/1A-001 |
中古 | 1年 0ヶ月 |
¥6,980,000 | ¥10,076,000 | 3,096,000 | 144.36% |
現在、この3710/1Aは約1007万円という水準なのですが、これはちょうど1年前と比較して約309万円の値上がりという様子であります。
ちなみに、筆者はこの3710/1Aをかつて新品を約88万円で購入したわけですが、その時計が今や1000万円以上という相場になっていることに驚いており、「売らなければ良かった」とも若干思っています。
そのようなことを考慮すると、この3710/1Aはかなり優秀という印象になるわけですが、実は5711/1Aと比べると、また違う見方ができます。
それこそが、かつて5711/1Aよりも3710/1Aのほうが中古相場が高かったという点なのですが、実際3710/1Aには、なにかと「レア要素」があるため、現在の様子を見るとそういったことが評価されていないとも感じられるのです。
まして、今の3710/1Aの値動きは「高くなった5711に影響された」というようにも見えるため、もう少し、特殊なレア感を持つ3710/1Aが評価されても良いのではと思う部分があります。
そういった意味では、単体で見ると「かなり優秀」に映る3710/1Aですが、5711/1Aなどと比べると、以前ほどの評価がされていないともいえるわけで、今後この3710/1Aが、市場から今とは違った評価がされるか否かが興味深いと思います。