このところ、ノーチラスを凌ぐほど派手な値動きとなっているロイヤルオーク。
ただ、特にそうなっているというのは3針(2針)モデルという傾向があるわけで、オフショアなどはそこまでの値動きとはなっていません。
オフショアは、1993年に「第二のロイヤルオーク」といった感覚で登場したシリーズでありますが、かつての常識では「通常のロイヤルオークよりも、オフショアのほうが高値」でありました。
それが今や、3針水準がオフショアを大きく上回っているというのは「当たり前」。また、オフショアは、3針と比べると「あまり値動きしない」という様子すら感じられる場面があります。
例えば、この25940SK.OO.D002CA.02の場合、2015年8月水準は約150万円だったのに対し、2020年11月水準は約187万円。2015年⇒2020年という5年間での変動額は、37万円の上昇にすぎません。
3針モデルの場合、37万円程度の値動きであれば、数ヶ月といった短期間で達成してしまうことも珍しくないことを考慮すると、「オフショアは値動きしない」という感覚になるわけです。
ちなみに、2015年時点において、14790STは100万円を切るぐらいで購入可能といった様子でしたが、今や300万円以上となっているわけです。
ですから、2015年時点ではオフショアは、3針よりも高いモデルだったということになります。
また、15400STなど新しい世代の3針を例としても「オフショアのほうが高い」ということは同様。先のように、このオフショア25940SKは2015年時点で150万円台だったわけですが、15400STは120万円台だったのです。
ロイヤルオークといえば、2018年から値動きが激しくなったという傾向がありますが、「3針とオフショアの相場が逆転した」となったのもその頃からだと思います。
当初は、15400STに越されるといった様子だったオフショアですが、今や33mmの15000STよりも安価といった状況となっているわけで、いかに3針ロイヤルオークの人気が高まったかがわかります。
2000年代といえば、腕時計のケースサイズが大型化した時代ですが、2015年時点ではまだそのようなトレンドがあったといえたわけで、15000STのような「33mm」は不人気といった傾向だったといえます。
その反面、この25940SKは42mmという大きなサイズであるため、2015年時点では「人気要素」を兼ね備えていたことになるでしょう。
そういった意味では、この5年6年といった期間で人気腕時計のトレンドが変化したといえるわけですが、実際、このところ新作では「ケースサイズの小型化」があるわけです。
そうなると、この25940SKのように「かつて高かった」というモデルは、「値動きしない」とか「値下がり」となっても不思議ではないといえます。
実際、2000年代に流行ったモデルの値下がり事例もあるわけですから、よりそうなる可能性は否定できないでしょう。
しかし、オフショアの場合はそうはなりませんでした。
なんと、現在、このオフショア25940SK.OO.D002CA.02は、以前よりも値動きしているという感覚がある様子に変化しているのです。
先程、2015年⇒2020年の約5年における変動額が約37万円と述べましたが、現在の値動きは、2020年11月⇒2021年6月の7ヶ月間で約21万円という様子です。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年11月 の安値 |
2021年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オーデマピゲ
ロイヤルオークオフショア 25940SK.OO.D002CA.02 |
中古 | 0年 7ヶ月 |
¥1,874,800 | ¥2,088,900 | 214,100 | 111.42% |
この25940SK.OO.D002CA.02は、2000年頃に登場したモデルですが、「ラバーベルト+ラバーベゼル」という要素は、雲上スポーツにとって前代未聞だったわけで、かなり尖ったモデルという印象がありました。
また、実勢価格の観点でこの25940SKは当時のノーチラスなどよりも「圧倒的に高い」という様子だったわけで、「憧れの1本」という感覚もあったわけです。
ただ、「3針が人気」という今では、25940SK.OO.D002CA.02に対するイメージは全く変わっているわけで、相場においては「3針よりも安価」という状況になっているわけです。
しかし、そういった状況の中、このオフショアはきちんと上昇したわけですから、これは「ロイヤルオークの強さ」を見せられたと感じます。