雲上スポーツといえば、「ノーチラス、ロイヤルオーク、オーバーシーズ」が思い浮かびますが、中古相場の値動きという観点では、これまで「ノーチラス以外はそこまで派手に動かない」という印象があったといえます。
実際、ノーチラスの値動きが今のような“派手さ”となったのは2017年のことですが、その時期、ロイヤルオークやオーバーシーズは、それと比べるとかなり“地味”な動き方だったわけです。
ただ、2018年になるとロイヤルオークは大きく値動きするように変化。そして、今ではノーチラスを凌ぐほどの派手な動き方となっているわけですが、転換点が2018年だったといえるでしょう。
その一方で、オーバーシーズは、「ノーチラス、ロイヤルオーク」と比べると依然地味という状態が続いていたわけで、つい最近までそういった印象があったといえます。
しかし、今年2021年になると、オーバーシーズの値動きの様子が変わります。初代や二代目がこれまでとは違う様子となったわけですが、特に初代が100万円以上という水準になったのは印象深かったといえます。
ですから、オーバーシーズにとっての転換点がまさに今年2021年だといえるでしょう。
さて、「ノーチラス、ロイヤルオーク、オーバーシーズ」といっても、その中での「最も人気」といったモデルがあるわけですが、それらは「現行世代の青文字盤」という傾向があります。
ノーチラスは5711/1A-001、ロイヤルオークは15202ST.OO.1240ST.01、そして、オーバーシーズは4500V/110A-B128がそれに該当するといえます。
5711/1Aや15202STは、現在すでに1000万円以上という水準にまで到達したわけですが、オーバーシーズはどうなっているのでしょうか。
2020年までの事例だと、オーバーシーズはそれらに「反応しない=あまり動かない」という傾向だったわけですが、「2021年は違う」といえます。
では、実際のところどうなっているかというと、やはり4500V/110A-B128は目立って動いている様子。
4500V/110A-B128は、2020年12月の段階で約293万円という水準だったのですが、現在はなんと約448万円にまで上昇しているのです。
半年間での値動きが、155万円の上昇という規模であると同時に、価格ステージも『200万円台⇒400万円台』に変化したわけです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年12月 の安値 |
2021年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ヴァシュロンコンスタンタン
オーバーシーズ 4500V/110A-B128 |
中古 | 0年 6ヶ月 |
¥2,938,000 | ¥4,488,000 | 1,550,000 | 152.76% |
オーバーシーズの値動きとして「数ヶ月で100万円以上」といったような動き方は、これまで見たことがなかったといえますが、この4500V/110A-B128はそういった値動きとなった最初の1本だといえます。
ですから、やはり2021年がオーバーシーズにとっての転換点だと感じられるわけで、ノーチラスにとっての2017年、ロイヤルオークにとっての2018年と同じような現象が起きていると思います。