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現在相場考察

スギちゃん購入額を上回っている、デイトナ116598SACO

2021年7月11日更新
ロレックスのデイトナ116598SACOについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年12月の安値と2021年7月の安値を比較し現在相場を考察。この0年7ヶ月での変動は¥3,222,200だった。

デイトナ 116598SACOについての考察(2021年7月)

116598SACOといえばデイトナレパード」という愛称が有名ですが、それと同時に、スギちゃんが所有する腕時計としても認知されているといえます。

スギちゃんがこの腕時計を購入したのは、とんねるずの『買うシリーズ』だったわけですが、番組内でこのデイトナレパードの購入を決断しています。

その際、“買わせる側”のとんねるずも「そんなに高いの買うのか!」といった趣旨で、驚いていた様子があったようですが、そのような感覚は視聴者側にもあったといえます。

とはいえ、腕時計好き目線だと「たとえ数百万円の時計を買ったとしても、同額ぐらいで売れるのでは」と思うかもしれません。

しかしながら、そういった腕時計好き目線でも、デイトナレパードという選択は、「同額で売るのは難しそう」だと思うわけで、普通の視聴者同様、「すごいものを買った」と驚いたことだと思います。

番組によれば、スギちゃんは、このデイトナ116598SACOを2013年に、新品648万円という価格で購入しています。

そして、それ以降、この116598SACOの中古相場はスギちゃん購入額を上回ることがありませんでした。

もちろん、仮にスギちゃんがこの116598SACOを中古で買っていたならば、2016年ぐらいの段階で2013年水準を大きく上回っていたかもしれません。デイトナレパードのような特殊なモデルは、2013年時点で「中古の評価は高くなかった」わけですから、中古を選択していたならば値上がり難易度は意外と高くなかったといえます。

けれども、スギちゃんが買ったのは新品。それも648万円。ですから、この価格を後の中古相場が超えるというのはかなり困難だといえたでしょう。

実際、2019年上半期といった「全体的に高い時期」を例としても、116598SACOの中古水準は約595万円。それより前の中古相場と比べると値上がり傾向であったものの、スギちゃん購入額を超しているわけではありませんでした。

また、この116598SACOは2020年12月という、デイトナとしてはそれなりに早い時期に「上昇」という動きになっていたわけですが、その時点でも約615万円という水準だったため、やはりスギちゃん購入額の648万円には届いていなかったわけです。

ただ、今年2021年は、2020年秋頃に「上昇」といった様子を見せていたモデルが、「さらにすごい」という状況になった事例がいくつかあります。

そうなると、この116598SACOの現在水準は、もしかしたらスギちゃん購入額を上回ったのではないかと思われます。

では実際どうなっているのか。

その答えは、なんと116598SACOの中古ボトム価格は、現在938万円という状況であるのです。

つまり、スギちゃん購入額を上回っているわけですが、「単に上回った」のではなく「大幅に上回った状況」となっているわけです。

本記事で参考とした中古腕時計

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ロレックス(ROLEX)デイトナ レパード 116598SACO 18Kイエローゴールド コニャックサファイア ダイヤモンド(腕時計)(メンズ)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年12月
の安値
2021年7月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
デイトナ
116598SACO
中古 0年
7ヶ月
¥6,157,800 ¥9,380,000 3,222,200 152.33%

もう一度スギちゃんの購入額をおさらいすると、2013年5月に648万円で新品という条件で購入しています。

そして、現在の中古ボトム価格は938万円。となると、スギちゃんは、8年2ヶ月このデイトナを所有した後、290万円ほどの値上がり体験ができたということになります。

筆者がこの116598SACOを初めて記事で取り上げたのが、2016年12月でありますが、その時は「スギちゃんの購入額を中古相場が超えるというのは難しいだろう」と感じていました。

しかし、その2016年12月から5年近くが経過した今、116598SACO「かつての新品実勢価格を後の中古が超える」ということを達成してしまったのです。

「かつての新品実勢価格を後の中古相場が超える」ということは、

  • 人気モデル
  • 売れ筋価格帯(5年前だと200万円以下、現在だと500万円以下といった感覚)
  • といったモデルが主といえました。

    それに対して、デイトナレパードは真逆な要素を含んでいるといえます。

    ですから、このような“癖が強い”モデルが、「かつての新品実勢価格を後の中古が超える」ということを達成できたというのは「すごいこと」だと思うのです。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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