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現在相場考察

ようやく回復気味、ノーチラス5726/1A-010

2021年7月9日更新
パテックフィリップのノーチラス5726/1A-010について斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年10月の安値と2021年7月の安値を比較し現在相場を考察。この9ヶ月での変動は120万8000円の値上がりだった。

ノーチラス 5726/1A-010についての考察(2021年7月)

ノーチラスといえば、2021年になってから「より一層、高い価格帯になってしまった」という印象がありますが、実はまだそういったことに該当しないモデルが存在します。

その1つこそ、この5726/1A-010であるのですが、これはノーチラスの年次カレンダーモデルの白文字盤であります。

この5726/1A-010は、2019年7月に1000万円以上という水準に到達していたのですが、2019年夏からの断続的な下落トレンド時には、900万円台に下落しています。

最初の緊急事態宣言があった2020年5月には990万円となっていたのですが、この時期に関しては5711/1A-010も600万円台にまで下落していたため、特に5726/1Aだけが安かったというわけではありません。

けれども、5726/1A-010は、2020年10月になっても下落が止まりませんでした。

2020年において、たしかにノーチラスは全体的に「なかなか回復しない」という様子があったものの、「目立った値下がり」となっているモデルは多くありません。

この5726/1A-010の10月水準は900万円となっていたのですが、これは緊急事態宣言時の990万円に対して90万円もの下落という状況だったわけです。

そして、2021年になると、5711/1A-010などの3針モデルは、打って変わって「過去最高値」といった様子になっていったわけですが、この5726/1A-010については2021年になっても相場はそれほど変わっていませんでした。

ただ、現在では、ようやく回復傾向といえる状況になっており、そのボトム価格は約1020万円となっています。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年10月
の安値
2021年7月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
ノーチラス
5726/1A-010
中古 0年
9ヶ月
¥9,000,000 ¥10,208,000 1,208,000 113.42%

5726/1A-010が1000万円以上となったのは久々のことでありますが、それでもまだ2019年7月水準と比べると200万円以上も安いといえる状況です。

これまで見た5726/1A水準として最も高かったのが2019年7月の約1221万円なのですが、現在水準はそれよりも約201万円安。逆にいえば、ちょうど2年前のほうが、現在よりも200万円程高かったということになります。

5711/1A-010など、他の3針ノーチラスは、『最初の緊急事態宣言時に下落⇒2020年には回復しない⇒2021年になると高騰』という流れがありますが、この5726/1A-010などコンプリケーション系のモデルは、それとは異なる様子だといえます。

2020年から現在までの5726/1A-011の値動きを表すと『最初の緊急事態宣言時に下落⇒2020年には回復しない⇒2021年上半期にも回復しない⇒7月になってようやく回復気味』となるわけです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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