ノーチラスといえば、2021年になってから「より一層、高い価格帯になってしまった」という印象がありますが、実はまだそういったことに該当しないモデルが存在します。
その1つこそ、この5726/1A-010であるのですが、これはノーチラスの年次カレンダーモデルの白文字盤であります。
この5726/1A-010は、2019年7月に1000万円以上という水準に到達していたのですが、2019年夏からの断続的な下落トレンド時には、900万円台に下落しています。
最初の緊急事態宣言があった2020年5月には990万円となっていたのですが、この時期に関しては5711/1A-010も600万円台にまで下落していたため、特に5726/1Aだけが安かったというわけではありません。
けれども、5726/1A-010は、2020年10月になっても下落が止まりませんでした。
2020年において、たしかにノーチラスは全体的に「なかなか回復しない」という様子があったものの、「目立った値下がり」となっているモデルは多くありません。
この5726/1A-010の10月水準は900万円となっていたのですが、これは緊急事態宣言時の990万円に対して90万円もの下落という状況だったわけです。
そして、2021年になると、5711/1A-010などの3針モデルは、打って変わって「過去最高値」といった様子になっていったわけですが、この5726/1A-010については2021年になっても相場はそれほど変わっていませんでした。
ただ、現在では、ようやく回復傾向といえる状況になっており、そのボトム価格は約1020万円となっています。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年10月 の安値 |
2021年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 5726/1A-010 |
中古 | 0年 9ヶ月 |
¥9,000,000 | ¥10,208,000 | 1,208,000 | 113.42% |
5726/1A-010が1000万円以上となったのは久々のことでありますが、それでもまだ2019年7月水準と比べると200万円以上も安いといえる状況です。
これまで見た5726/1A水準として最も高かったのが2019年7月の約1221万円なのですが、現在水準はそれよりも約201万円安。逆にいえば、ちょうど2年前のほうが、現在よりも200万円程高かったということになります。
5711/1A-010など、他の3針ノーチラスは、『最初の緊急事態宣言時に下落⇒2020年には回復しない⇒2021年になると高騰』という流れがありますが、この5726/1A-010などコンプリケーション系のモデルは、それとは異なる様子だといえます。
2020年から現在までの5726/1A-011の値動きを表すと『最初の緊急事態宣言時に下落⇒2020年には回復しない⇒2021年上半期にも回復しない⇒7月になってようやく回復気味』となるわけです。