ヨットマスターのロレジウムという存在は、プラチナベゼルのSSモデルという立ち位置で、本来、SSスポーツというくくりの中では最高級に位置するといえる存在です。
実際、ロレジウムがデビューしたばかりの2000年前後といった時期においては、16622の新品実勢価格は、SSデイトナの次に高いというポジションだったわけです。
また、コンビモデルを含めたとしても、そういった価格序列に違いはなく、青サブよりも高いというのがロレジウムの立ち位置だったのです。
しかし、今となってはロレジウムはコンビより安いのはもちろん、オールSSのスポーツモデルよりも安価という傾向となっています。
そういった傾向が最も顕著だといえるのが、6桁世代であるわけですが、本来上級モデルであるはずの116622が、エントリークラスのサブマリーナノンデイト114060よりも安価か同水準という中古相場であるわけです。
なぜ、116622がそのようなポジションとなったのかというと、「あまり変動しない」という状態が長く続いたからでしょう。
116622といっても、プラチナ文字盤、青文字盤、ダークロジウム文字盤の3つがあるわけですが、一番人気のダークロジウムを除くと「変動しない」といえた状態だったといえます。
例えば青文字盤のこれまでの主だった相場を示すと、
というようになるわけです。
2019年6月にそれなりに伸びたものの、それ以外の時期はそれほど大きく変わりないといえるように感じます。
ですから、これまで116622の青文字盤は、それほど注目度が高くないモデルだったといえるかと思います。
しかし、実はそんな116622の青文字盤には、重要な要素が含まれているわけです。
それこそが、まさに「青文字盤」ということなのですが、これはここ最近の「人気要素」であります。
そのようなことは、前回、2020年12月19日の記事でも指摘した通りなのですが、青文字盤という観点では、2020年12月に110万円という水準だった116622はバーゲンプライスだといえました。
そして、そのようなことに多くの人が気づいてしまったのか、現在の116622青文字盤の様子は、昨年12月とはずいぶん違った様子となっています。
現在、116622青文字盤は、なんと138万円というボトム価格なっている状況。昨年12月時点では110万円だったわけですから、この7ヶ月間で28万円の上昇をしたということになります。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年12月 の安値 |
2021年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
ヨットマスター 青文字盤 116622 |
中古 | 0年 7ヶ月 |
¥1,100,000 | ¥1,380,000 | 280,000 | 125.45% |
筆者は2016年から、この116622青文字盤を追っていますが、今回の変動額はこれまで見た中で最も大きいといえます。
これまでの116622青文字盤の値動きは、だいたい10万円前後といったペースだったわけですが、動かないという時期もそれなりにあったわけです。
それが今回の値動きでは、7ヶ月という短期間で28万円の上昇となっているわけですから、2016年以降における116622青文字盤の変動としては、最も派手という規模だといえるのです。
ちなみに、同じ116622でも、プラチナ文字盤は約122万円というボトム価格。以前の様子では、青文字盤とプラチナ文字盤の“差”はほとんどなかったわけですが、今となっては、かつての「対ダークロジウム文字盤」ぐらい差がある状況となっています。