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現在相場考察

A番トリチウムの評価、ルミノールベースPAM00002

2021年7月16日更新
オフィチーネパネライのPAM00002について斉藤由貴生が執筆。本記事では2014年10月の安値と2021年7月の安値を比較し現在相場を考察。この6年9ヶ月での変動は¥133,800だった。

ルミノールベース A番 トリチウム PAM00002についての考察(2021年7月)

同じ型番のモデルでも、特定の年式など、ある条件によって「評価が大きく変わる」という現象がありますが、そういったことはロレックスが主という感覚があります。

けれども、実はパネライでもそういった現象があるわけで、実際20年前から起きているのです。

それこそが、「PreA、A番、B番の一部」といった要素であるのですが、それらに共通するのが「トリチウム」という点です。

このようなことは、昔からの時計ファンには“常識”であるでしょうが、最近では忘れられつつあるといえるかもしれません。

実際、パネライは2016年頃までロレックスと同じような値動きをしていたといえ、特にそういったことは「A番」といった時代に関連するモデル、特にルミノールベースなどで見られました。

それが2017年以降においては、「全体的に高い」という感覚がある時期でも、変動が起こらないというパネライがそれなりに増加。特に、それまで値動きしていたはずのルミノールベースは、30万円台後半という水準が長く続いている様子があります。

そういったことから、ルミノールベースという腕時計は、なんとなく、いつでも40万円ぐらいで購入可能という感覚になってしまうかもしれません。

実際、このPAM00002をもってしても、現在のボトム価格は約43万円(ABランク以上)。112番などよりは高い水準であるものの、40万円前後という範疇に収まるといえるでしょう。

しかし、そんなPAM00002を持ってしても、「A番」、「トリチウム」という要素が加わると、その相場は一気に上昇。

現在水準は約94万円といったところなのですが、実は2014年水準でも約81万円。いつの時代でも「明らかに高い」のが、このA番といったトリチウム世代であるのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2014年10月
の安値
2021年7月
の安値
変動額 残価率
オフィチーネパネライ
ルミノールベース
A番
トリチウム
PAM00002
中古 6年
9ヶ月
¥811,000 ¥944,800 133,800 116.50%

この「A番」というのは、1998年製造のことを指すのですが、PreAが1997年、B番が1999年であります。

B番の途中までの発光塗料がトリチウムで、それ以降がルミノバ。そのトリチウム文字盤がレアとされ、2000年代前半からかなりな評価となっています。

そして、そのような評価は、通常のルミノールベース相場が安価といえる状況の今でも変わりないわけで、やはり「トリチウム」の評価はすごいのだと感じられます。

最近では、そこまで話題にならない中古のパネライでありますが、実際このような面白い存在がいくつもあるわけで、そろそろ再注目されても良いのではないかと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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