90年代後半という時代、高級腕時計への注目度が上昇し、「ロレックスブーム」と呼ばれていました。その時代に人気だったのが、「ロレックス」「オメガ」「カルティエ」「ブルガリ」だといえます。
もちろん、一番人気だったといえるのがロレックスなのですが、「人とは違うのが良い」という視点で注目されていたのがブルガリだったといえます。
当時のブルガリは、男性向けという印象が強く、ラインナップもシンプル。どことなくロレックスと比較しやすいキャラクターだったため、強い人気があったといえます。
ブルガリと同じような価格帯だったカルティエは女性向け製品が多く、オメガの場合は、ロレックスやブルガリよりも安価といった傾向でした。
そのため、「王道のロレックス、それよりおしゃれなブルガリ、安価なオメガ」といったように、棲み分けがはっきりしていたといえます。
ですからブルガリは、「あえてロレックスを買わない」という選択肢だったわけで、それなりに憧れられるポジションだったわけです。
当時は、スクーバやスポーツクロノといったスポーツ系モデル、またドレス系ではブルガリブルガリが人気だったわけですが、スポーツクロノなどの新品実勢価格は、ロレックスの人気スポーツモデルを超えていました。
そして、そういったブルガリのラインナップには、SSの他に、コンビやK18といった存在があったわけですが、K18となると「かなり高い」という価格帯となり、憧れの的だったといえます。
実際、当時芸能人の間でもK18のスポーツクロノが流行っていたようで、加藤茶さんはWGのスポーツクロノをテレビで披露されていました。
しかし、かつて憧れの的だったブルガリの現在の中古相場は、随分安価といった状況に変化。
実際、今回取り上げるブルガリブルガリBB33GLは、2017年10月においてK18でも10万円台で購入可能だったのです。
BB33GLといっても、クォーツモデルなど様々なラインナップがありますが、最も評価される傾向なのが、自動巻のモデルであります。
その自動巻モデルをもってしても2017年10月水準は約19万円だったわけですから、かつての「K18ブルガリ」に対する印象からすると、驚くほど安価で購入可能となるわけです。
とはいえ、近頃ではK18腕時計が目立って上昇するという傾向があり、そういったことはブルガリでも起こっています。
例えば、K18のスポーツクロノ(革ベルト)は、これまで30万円台後半だったのが、今年1月から40万円台中盤という状況になっているわけです。
では、このブルガリブルガリはどうかというと、こちらも2017年水準よりは上昇しているといえる様子があります。
このBB33GL(自動巻)の現在水準は、約29万円となっているわけですが、これは2017年10月水準に対して9万9000円の上昇であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年10月 の安値 |
2021年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ブルガリ
ブルガリブルガリ 自動巻 BB33GL |
中古 | 3年 9ヶ月 |
¥198,000 | ¥297,000 | 99,000 | 150.00% |
この9万9000円高ということをどう捉えるかについてですが、K18腕時計にしては歩幅な値動きと捉えることもできるでしょうし、変動率という観点では150%となるため優秀ともいえます。
では、筆者個人としてはどう思ったかというと、「K18、自動巻、ブルガリブルガリ」という条件では、この約29万円という価格は、なかなかお得感があるという感想になりました。
そういった意味では、K18腕時計としては、まだまだ