パネライのルミノールベースの黒文字盤といったら、今年まで生産されていたモデルなので見慣れたモデルだという印象があります。しかし、その見慣れたモデルはPAM00112のほう。このモデルはPAM00002です。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年6月 の安値(ヤフオク) |
2016年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オフィチーネパネライ
ルミノールベース C番 PAM00002 |
中古 | 4年 2ヶ月 |
¥300,000 | ¥458,000 | 158,000 | 152.67% |
ぱっと見た感じ全く同じに見える両者ですが、違いがいくつかあったりします。
1つは生産年の違い。
PAM00112ってPAM00002の後継機にあたり、両者の関係性はロレックスエクスプローラの14270と114270と似ています。
PAM00002は98年から作られましたが2002年にPAM00112にモデルチェンジ。
PAM00112になった際、裏蓋がガラス製となりムーブメントを眺めることができる裏スケ仕様になりました。
さらに2005年には文字盤にも変化が。
所謂「サンドイッチ文字盤」となったのです。
その「サンドイッチ」に対して以前の文字盤は「流し込み文字盤」と呼ばれたりしています。
両者の違いは言葉より図のほうが分かりやすいのでこんな感じ。
流し込み文字盤
サンドイッチ文字盤
要するに、発光塗料シートの上から穴あき状態の文字盤を重ねたものが「サンドイッチ文字盤」です。
このサンドイッチ文字盤、1950年代のオリジナルモデルでも採用されていた構造。
ということは、
- サンドイッチ文字盤
- 裏スケ
という人気の付加価値を持つPAM00112のほうがPAM00002より高くなりそうな感じがしますが、これが違うのです。
パネライの場合、より古く、より希少なほうが高くなる傾向です。
これがパネライの難しいところであり面白いところ。
例えば、PAM00002の場合、主に1998年のA番モデルで採用されている「トリチウム」の蛍光塗料を使ったものがずば抜けて高くなる傾向。
90年代ロレックスの場合、ルミノバとトリチウムではトリチウムのほうが安値になるのですが、パネライは逆なのです。
しかも、98年以前の「プレヴァンドーム」と呼ばれるモデルは更にずば抜けて高値。
「OP」のロゴが入ったモデルは現在246万円で売られています。
ということで、
見た目がそっくりでも
PAM00112<PAM00002(ルミノバ)<PAM00002(トリチウム)<プレヴァンドーム
という順でかなり相場に差があるパネライ。
この記事で取り上げているPAM00002(ルミノバ)は09年に30万円、現在は約45万円ですが、PAM00112の場合09年だと約25万円、現在は約40万円といったとこです。
ということで、いつの時代もPAM00112より5万円ほど高いPAM00002。
本来、裏スケ+サンドイッチ文字盤というPAM00112のほうが人気要素満載なのにもかかわらず、ずっと高値の状態。
そして、PAM00112が生産終了となった今、生産数がより少ないPAM00002は要注意です。