アルミニウムは鉄と比べてとても軽く、腐食にも強いといわれる素材。軽くて腐食に強いのなら一見腕時計の素材として優秀なようにも見えるが、とても柔らかいという短所もある。そのため、腕時計の素材としては凹みができやすく敬遠される傾向にある。
素材が持つ機能面よりアルミニウムの色合い、時計素材としての珍しさからブルガリは素材そのものをモデル名とした「アルミニウム」を1998年より販売。
デビュー当時世界的に注目を浴びたものの、他の時計メーカーがブルガリに追随し、アルミを採用した腕時計を販売するというまでには至らなかった。
高級腕時計にアルミニウムが採用されているのは現在までに『ブルガリアルミニウム』以外に例がないと思われる。
また、プラチナを最高峰とする腕時計の金属序列としてはアルミニウムは最も廉価なポジションである。しかし、ブルガリアルミニウムの場合、廉価版というより“ブルガリのスウォッチ的存在”とか“2本目の腕時計”という印象が強く、カジュアルプレミアムという印象である。
腕時計以外における高級工業製品でのアルミニウム
自動車の場合、ホンダNSX(初代)やアウディA8、ジャガーXJ(X350以降)といった1000万円クラスの高級車にオールアルミボディが採用される傾向が強い。また、ロールスロイスやベントレー(主にSZ系)においては1980年代よりドアやボンネットフード、トランクといった開閉する部分がアルミニウムで作られている。ノートパソコンにおいてはアップルのMacBookシリーズに採用されている。