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現在相場考察

上昇額がかつての本体価格並、ダイナミック5200.50

2021年8月6日更新
オメガのダイナミック5200.50について斉藤由貴生が執筆。本記事では2019年12月の安値と2021年8月の安値を比較し現在相場を考察。この1年8ヶ月での変動は¥49,280だった。

ダイナミック 5200.50についての考察(2021年8月)

1997年に登場したオメガダイナミックは、現行当時、最も定価が安いモデルという役割を担っていたといえます。

実際、筆者が1999年にオメガの腕時計を購入したいと思った際、定価ベースで「どれが良いか」と調べてみたときに、最も安かったのが、この3針ダイナミックの革ベルト版でした。

筆者の記憶によると、3針ダイナミックの当時の定価は13万円程度。並行輸入の新品であれば、同じ価格で、もっと上のモデルが購入可能だったため、当時筆者は、結局シーマスターを買うという選択をしています。

そして、その後ダイナミックの中古相場を見た筆者は、「やはり安いモデルの相場は安い」と思ったわけですが、実際2015年頃の段階でも、この3針ダイナミック10万円以下という中古相場が当たり前でした。

しかし、そんなダイナミックは、2016年以降、それまでとは異なる様子へと変化します。

それまで、ダイナミックはクロノグラフを含めて、いつでも10万円以下で購入可能という印象だったわけですが、徐々に価格帯が変化。

ダイナミックで最も高い傾向なのは、ブレスレットのクロノグラフでありますが、その内容に該当する5240.50は、2016年に10万円以上という水準となっています。

とはいえ、同じブレスレットでも3針モデルの状況は違いました。3針の5200.50は、2016年の段階では約6万円といったところだったのです。

ただ、そんな5200.50も2019年12月には10万円以上という水準に達し、それまでとは明らかに異なる価格帯といった印象になったといえます。

さて、そんなオメガダイナミックですが、2019年以降はあまり目立った変化となっていない様子がありました。

特に変化がないといえるのが、クロノグラフの5240.50なのですが、このモデルは2018年8月に約15万円という水準になってから、3年にわたって大きな変化がない状況が続いているのです。

そうなると、3針も当然動かないと思われるところですが、意外にも、今年2021年は「3針のほうが動いている」という状況が見られます。

現在、3針の5200.50は、なんと約15万円という水準に達しており、クロノグラフと同水準にまで上昇しているのです。

2019年12月水準が約10万円でしたから、この1年8ヶ月で5万円近くもの上昇となっているわけです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2019年12月
の安値
2021年8月
の安値
変動額 残価率
オメガ
ダイナミック
5200.50
中古 1年
8ヶ月
¥104,500 ¥153,780 49,280 147.16%

これまでのダイナミックの様子を見ると、3針はクロノグラフよりも安価という序列が当たり前だったわけですが、長らくクロノグラフが値動きしなかった結果、ついに3針とクロノグラフが同水準となってしまったのが興味深いといえます。

また、今回の3針の値動きを見て凄いと思うのは、2019年12月⇒2021年8月の変動額が、かつての本体価格並となっている点です。

この5200.50は2016年11月の段階で、6.5万円という水準。それに対して、今回の値動きは、約4.9万円の上昇であるのです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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