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腕時計特集

阿部泰治のパテック論 ~第70回~ 【350万円以下で買えるオススメモデル】

2021年8月9日更新

みなさん、こんにちは。

毎日厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。連日オリンピックも盛り上がりを見せておりますが、全競技の結果を見たく、寝不足になっている方も多いのではないでしょうか。コロナ・熱中症・寝不足、、、くれぐれも気をつけてくださいね(笑)

さて、今回のパテックフィリップ論は【350万円以下で買えるオススメモデル】をご紹介していきたいと思います。ここ最近のパテックフィリップ論では、高価格帯のモデルのご紹介が多かったため、少し親近感が湧いてくるのではないでしょうか。是非、最後まで楽しんでご覧になって下さい。

【目次】
◆ 【350万円以下で買えるオススメモデル】
「Ref.5110R-001ワールドタイム 18KRG
「Ref.5146G-001」 アニュアルカレンダー 18KWG
◆ まとめ

【350万円以下で買えるオススメモデル】
「Ref.5110R-001ワールドタイム 18KRG

1本目にご紹介するのは、ワールドタイム「Ref.5110R-001」。

1930年代に登場したワールドタイムは、一昔前までは海外オークションなどでしか見かけることがない、オークションピースなモデルでした。

10時位置にあるプッシュボタンを押すことにより、中央の12時間時計、その外側に配された24時間表示回転リング、さらにその外に配された都市名リングが連動して動くという画期的な進化を遂げ、2000年に「Ref.5110」として発表されました。

2006年にはサイズアップし、針、文字盤のデザインを若干変更し「Ref.5130」となり、10年後となる2016年に現行モデル「Ref.5230」が発表されました。

※Ref.5230 18KWG

現行モデルはリューズガードがなくなり、ラグやケース形状、針・文字盤のデザインを大きく変え、ケース経もやや小さめの38.5mm。18KWG(ホワイトゴールド)と18KRG(ローズゴールド)で展開されております。

ムーヴメントは「Cal.240 HU」。現行モデルの「Ref.5230」にも引き継がれている、パテックフィリップ自慢のムーブメントです。ケースサイズとムーブメントサイズがとてもバランス良く、スケルトンバックから覗くその姿は、いつまでも見ていられる美しさです。

現在付いているベルトと、付属しているベルトは使用感はありますが、純正のマットブラックのベルトと、社外製のベルトが未使用で付いておりオススメです。

また、過去にパテックフィリップで2度オーバーホールされているのも、オススメポイントです。直近の2019年3月にもされており、より安心して着用がいただけます。

付属品は冊子類などもしっかりと付いており、この年代にしては内箱の状態も綺麗です。

気になる販売価格ですが、3,289,000円(税込)

ここ最近、ワールドタイムは海外でのニーズが高まっている気がします。どの世代のワールドタイムもそれぞれの良さはありますが、個人的には初代にあたるこちらの「Ref.5110」が一番好みではあります。気になっているお客様がいらっしゃいましたら、私が背中を押させていただきますので、何なりとお問い合わせください。(笑)

「Ref.5146G-001」 アニュアルカレンダー 18KWG

1996年に発表された初代アニュアルカレンダー「Ref.5035」を初めて見た時の印象は、時計でカレンダーが分かるのか?覚えればセットが簡単そうだな?くらいの印象しかありませんでした。

しかし、その言葉が表す通り時計を動かし続けていれば、一年に一度、2月に調整をするだけで良いというのが分かった時には、なんて調整がラクで便利な機能なんだ!と、深く感銘を受けたのを今でも鮮明に覚えています。

その後、2代目にあたる「Ref.5135」の後継機として2005年に発表されたモデルが、こちらの「Ref.5146」です。主な変更点は、ムーブメントの進化、それに伴う文字盤デザインの変更、ケースのサイズアップが挙げられます。

個人的な主観にはなりますが、先代の「Ref.5135」は文字盤デザインがとてもシンプルで、どこかスッキリしすぎてて物足りなさを感じていました。一方「Ref.5146」は、6時位置の24時間表示がムーンフェイズへ変わり、12時位置に+〜-で見るパワーリザーブ表示が配置され、インデックスもローマンインデックスから、アラビア数字(12・3・9)+バーインデックスの組み合わせとなりました。さらに、ケースサイズも37mmから39mmとなったことで、文字盤も大きくなり視認性が全体的に向上し、ただ大きくなっただけでなく、クリームがかったアイボリーの文字盤が品格を漂わせ、絶妙なトータルバランスだと思います。

スケルトンバックから覗くムーブメント「Cal.315 S IRM QA LU」は、後に「Cal.324 S IRM QA LU」へ変更されます。それにより、振動数が2万1600振動/時から2万8800振動/時にスペックアップされ、精度がより安定しています。

こちらの時計は保証書を見ると「Ref.5036/1」「Ref.5056P」に搭載されたムーブメント同様「Cal.315 S IRM QA LU」で、切り替わる前に販売された個体であることが分かります。もちろんスペックは変更後の方が高いですが、数としてはこちらの方が少ないと思います。

ラグ部分に取り切れていないキズがうっすらと一箇所ございますが、提携修理工房にてケース・バックルの仕上げをし、目立つようなキズもなくとてもキレイな状態です。また、2010年、2015年にメーカーにてオーバーホール、2018年にもメーカーでランニングテストがされております。

今回、当店にて販売するにあたり、新品のパテックフィリップの艶ありハンドステッチアリゲーターストラップに交換していますので、こちらもプラスポイントです。

前オーナー様が大切に使われていた時計であることが分かる個体であり、冊子類や箱を含めた付属品もキレイな状態で保管されていました。

気になる販売価格ですが、3,388,000円(税込)

良いプライスだと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ここ最近、特にノーチラスアクアノートのモデルは価格高騰が続いております。

以前よりは価格は上がってはおりますが、今回ご紹介させていただきました、ワールドタイムやアニュアルカレンダーは、狙い目なモデルであるかなと思います。

気になる方は、ご質問だけでも構いませんのでお気軽にお問い合わせいただければと思います。今後とも魅力的な【パテックフィリップ】の時計を皆さまにご紹介出来るよう日々頑張っていきます。

では、また!

この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。
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